参,最終選別___ ページ5
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"隙の糸"の匂いがわかるようになった。
見えた瞬間にピンと張る。
その糸に引かれるように……刃は隙を切り込む
「お前を最終選別に行かせるつもりはなかった。もう子供が死ぬのを見たくなかった。」
「お前にあの岩は切れないと思っていたのに…………」
そう呟くと鱗滝さんは優しく俺の頭を撫で
「よく頑張った」
と褒めてくれた。
「炭治郎、お前は凄い子だ……」
その時。涙が止まらなかった。
嬉し涙が零れ落ち、地面にポタポタと垂れた。
「最終選別、必ず生きて帰れ。儂も妹もAも此処で待っている。」
切った岩の裏から…………出会った時と同じように
顔を出した少女がいた。
「A……!Aも色々とありがとう!」
『フルフル))…………っ!…………。』
首を大きく横に振り眉を下げ心配そうな表情を見せると口を開けたが、また閉じ。
口をぎゅっと紡ぐと、優しく頭を撫でてくれた。
その手はとても優しく……温かかった。
髪を切り終えると、鱗滝さんがお面をくれた。
厄除の面という悪いことから守ってくれるそうだ。
眠り続ける禰豆子は連れて行けないので鱗滝さんとAに預かってもらう。
「鱗滝さん、A行ってきます!錆兎と真菰によろしく!」
と大きく手を振りその場をあとにした___
「……炭治郎、なぜお前が…………」
.
「死んだあの子たちの名をしっている」
グイグイとAは鱗滝左近次の裾を引っ張った。
首を小さく横に振り相手の顔を見れば小さく微笑んだ。
手話であったことを伝えると。
「そうか…………やはり、あの子達が……力を貸してくれたのか。」
『クスクス))…………』
Aは元隊士である。
だからこそ。
炭治郎に手助けをしてやりたい。
それも叶わぬ夢。
声が出なければ教えることも出来ない。
原因はわかっていた。
自分ではどうすることも出来なかった。
ただ、、、ひたすらに。
鱗滝左近次と、妹禰豆子と共に帰りを待つことしか出来ない。
遠く小さくなる背中を見守りながら弱々しく拳を握った。
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零(プロフ) - 絵宙(えそら)さん» ご報告ありがとうございます(´;ω;`)誤字の方直しておきました、!自分はこの作品の主体である炭治郎が推しです、! (2020年4月6日 16時) (レス) id: ec41798bb6 (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 参の最終選別で、よろしくがろよしくになっていました…面白いです!これからも頑張ってください!!零さんは誰推しでしょうか?私はカナヲちゃんと獪岳が好きです!! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 暇神さん» あわわ!誤字脱字が多くて現実に戻される時があるかもしれませんのに……そんなお言葉が嬉しいです、!これからも頑張っていきます、!ありがとうございます、! (2019年12月22日 18時) (レス) id: ec41798bb6 (このIDを非表示/違反報告)
暇神 - 何だかこの小説を読んでいると、自分がこの世界にいる感じがしてとても幸せでした!次の更新を楽しみにまっています! (2019年12月21日 2時) (レス) id: 431fb3f7fc (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - ARUPAKAさん» ありがとうございます(´;ω;`)そのお言葉が力になります、!頑張ります、! (2019年12月13日 22時) (レス) id: ec41798bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零~rei~ | 作成日時:2019年11月27日 22時