【鬼滅の刃】声が出ない少女と鼻が良い少年のお話【竈門炭治郎】

拾漆，覚悟＿＿＿ ページ20

. あなたside .

.


｢Aは、今回どうして鬼殺隊に戻ろうと思ったのかな？｣




『………………。………………………。』

｢"私は……。炭治郎に彼奴が倒せるという見込みがあったからです"｣







｢あの坊主にかァ?!｣


｢分からない。水燈が何を考えてあいつに見込みがあると思ったのか分からないぞ。｣






確かに……皆には分からないだろう、だけど
炭治郎にはきっと出来る。
なぜその自信が出てきたのか、分からない。





でも、2年間の修行の成果を見て、きっとできると確信した。
私みたいに水の呼吸がちゃんと使えない訳じゃない。



覚悟の目をしている。








『…………！……………………、………………！』

｢"私とは違って！炭治郎は水の呼吸がちゃんと使えます、声も出ないわけじゃない！"｣







ぎゅっと胸の当たりで拳を作ると下を向きどうにかして喋ろうと大きく息を吸い口を開いた





『ﾊｯ………っ！ｹﾞﾎｯ、ｺﾞﾎｯ』





｢っ……！A大丈夫か？｣




義勇兄さん……やはり優しいですね
なんだかんだ言って優しい義勇兄さんに背中を押されて、炭治郎は鬼殺隊に入ったんですよ






そんな事も簡単に言えない自分
情けない…………







『っ…………』




｢A、無理して喋ろうとしなくていいんだよ｣





『…………』







情けない、
こんな自分が。振り切らないと行けないというのに
分かっているんだ、自分では
でもどうすることも出来ない
不甲斐ない







｢無理して喋ろうとすんなって｣



｢そうですよ、逆に悪化してしまうかもしれませんよ？｣






『……………………！……！』

｢"私は早く……！早く！"｣






"声を取り戻さないと行けないんだ!"









周りが静かになる。
分かっている……自分のせいで皆が困っていること
我儘だって








『…………』

｢"ごめんなさい"｣








｢Aの考えはよくわかったよ。でも、炭治郎も自分で成長しなきゃ行けないんだよ？そこはちゃんと分かるね？｣




｢それに先ず、自分の声を取り戻そうね｣






『……』

｢"はい"｣








｢じゃあ、今日は柱合会議を終わろうか。｣




＿＿＿＿＿＿＿




『…………』



｢A？｣



『…………？』

"何？"




私と無一郎くんは同い年だ。
だから、すごく親近感が湧く……けど、
無一郎くんは記憶が無いからか、冷たい




｢どうして彼奴を庇うの？｣



『…………』

"それは…"

拾捌，蝶屋敷＿＿＿→←御礼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す