【男主】童磨が子供を拾った？ようです【鬼滅短編集】

教祖の台所 完 ページ30

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｢……んー……｣


のそりと起き上がると、まだ眠気の残る重い瞼をくしくし擦る。
牙が見えるほど大きな欠伸をしてひとつ違和感を覚えた。


｢あれ？童磨さまは？｣


忙しなく辺りを見渡しても部屋にいない。眠っている時は僕にずっと付きっきりのはずなのに。
おかしい……。小さな手を顎に当て、むむ、と考え込むとどこからか嗅ぎなれた血の匂いがした。


｢！？童磨さま、ケガしてる！？！？｣


僕が眠っている間に鬼狩り(こわいの)が来たのかもしれない。戦って、ケガをしているのかも。
一瞬でパニックになって、血の匂いを辿り部屋から飛び出した。


──────────


｢童磨さま！！だいじょうぶ！？ケガは！？ぼくもたたか、うわぁ！｣


ダバダバと階段を駆け下りる途中、足が滑り勢いよく転んでしまった。あちこちぶつけたせいで物凄く痛いし、泣きそうだけど我慢する。泣くのは“じゃくしゃ“がすることって、猗窩座さんが言ってたのを思い出したから。


｢う゛ー……｣

｢A？え！？何があったの！？｣


階段のふもとでうんうん唸っていたら、頭上から降ってきた童磨さまの声。ばっと顔を上げるとその手にはお盆が。


｢よかった……！童磨さま、いなかったから、血のにおい、して……｣


驚いた童磨さまの顔を見たら急に安心して、さっきまで我慢していた涙が止まらなくなった。


｢心配かけちゃったなぁ……ごめんね、Aが起きてからにしたら良かったね｣


申し訳なさそうに僕を撫でる童磨さま。戦ってた訳じゃないし、ケガもしてない。僕がただ早とちりしただけだった。


｢ほら、起きたらお腹が空くだろう？いつも人間を食べられないAでも食べられるように、俺が特別に手を加えていたんだよ｣


そう言うとお盆の上の小鉢を手に取る童磨さま。血の匂いはそこからだった。


｢もう、泣きながら涎も垂らして可愛いんだから｣

｢う゛、かわいくない……｣

｢さ、部屋に戻ったら食べてみようね！美味しいといいんだけど｣


片手に小鉢を載せたお盆、もう片腕に器用に僕を抱き抱えて部屋に戻る童磨さま。
顔を着物で拭うとびちゃびちゃだった。うわあ。


***おまけ***


｢……美味しい？｣

｢！！これなら食べられる！｣

｢本当！？たくさん食べたら今よりもっと強くなれるよA！｣

｢もうおなかいっぱい……｣

｢まだ二つ目だよ！？｣


******

教祖を台所に立たせたかっただけのネタ。割烹着着て欲しい。料理の腕壊滅的そう

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