守りたいから 完(童磨・猗窩座) ページ26
.
「……って言うわけなんだけど、どうしたら強くなれるかな?童磨さま、教えて!」
「待っておくれ、A一人で猗窩座殿に会いに行ったの??」
「?うん、次に会う約束もしたよ!」
Aから衝撃的な言葉が飛び出してきて、本気で焦る。俺の目を盗んで出かけて、あの猗窩座殿にA一人で会って、しかも血鬼術まで見せちゃったの?
当の本人は不思議そうな顔で俺を見つめている。
「い、いつの間に……。とにかく、次からは俺もついて行くからね!こっそり出かけるの禁止!」
分かった?とAに言い聞かせて、指切りするために小指を立てる。
強くなりたいって気持ちはよーく分かったけど、あまりにも危険すぎる。
素質がある事は俺だって気づいていた。でも、Aを危険な目に合わせたくなかった。
「だって……僕も強くなって、童磨さまを守れるようになりたかったの。でも、勝手に出かけてごめんなさい……」
しゅん、と肩を落として素直に謝るA。指切りもできていい子だね。えらいえらいと頭を撫でてやった。
「え?俺を守る?」
遅れて言葉の意味に気づく。この子はその為だけに、危険を省みずに行動したって事?
本当に、君って子は……
「……ありがとう、A。分かった。そんなに思ってくれたんじゃあ仕方がないね」
「え?」
「猗窩座殿との鍛錬、俺も一緒に見てあげよう!その方が俺も安心だし、いろんな助言も出来るだろう?Aは嫌かな?」
しょんぼりしていたのが嘘みたいに笑顔になるA。やっぱり君には笑顔が一番似合うよ。
いやじゃない、嬉しいってはしゃぐAを見て、俺までなんだか嬉しくなった。
でも、まずは……
「A、体力をつけなきゃいけないぞ」
「う、あのおにーさんと同じ事言われた……」
渋い顔をするAに思わず笑いが込み上げる。
まだまだ先は長そうだね。
****
おまけ会話文
「も、もう無理だよぅ……つかれた……」
「まだ街を二周走っただけだぞ。どれだけ体力が無いんだ?」
「まあまあ、そう怒らないでやっておくれ猗窩座殿!元々病を患っていたからね、仕方がないよ」
「休憩はなしだ、あと三周」
「ひえっ……おに……」
「何を当たり前の事を」
「A頑張り屋さんだなぁ。猗窩座殿、あんまりいじめないでよ?」
「……」
「俺の頭吹き飛ばそうとするのはやめて!A泣いちゃう!」
**********
大切な存在を守りたくて強くなろうとするって、尊いなぁと……
689人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こよみ(プロフ) - 春斗さん» はじめまして。いつも読んで下さってありがとうございます!また、リクエストやお気遣いまで非常に嬉しいです〜!ゆっくりではありますが、これからも書き続けるので楽しみにしていただけると嬉しいです! (2021年6月30日 8時) (レス) id: 425489c0a2 (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - 初めまして。こちら楽しく拝読させて頂いております!リクエストなのですが、累くんのところに遊びに行く夢主くんと、それについていった童磨が気になります…!この時期は特に体調崩しやすいので、ご自愛下さいませ。お身体お大事になさって下さい…! (2021年6月30日 3時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - charaさん» リクエストと感想ありがとうございます……!とっても励みになります(*´ω`*) 更新頑張りますね! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 425489c0a2 (このIDを非表示/違反報告)
chara(プロフ) - リクエストで猗窩座との絡みが見たいです・・・追記このお話めっちゃ面白くて好きです!無理のない程度で更新頑張って下さい!! (2021年6月27日 14時) (レス) id: fa1ff43ec6 (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - 狼河@チビ同盟さん» リクエストありがとうございます……!堕姫ちゃん!お話練ってみますね! (2021年3月12日 19時) (レス) id: c39eaef263 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こよみ | 作成日時:2020年2月14日 1時