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お館様はそう言ってくれるけど、実際どれだけ役に立ったか私には分からない。
小さく首を振ると、お館様は「それだけじゃないんだよ」と更に続けた。
「杏寿郎のそばにいてくれてありがとう」
「え…？」
「私が言うまでも無いんだろうけど、杏寿郎は頑張り屋だろう？だから、杏寿郎が安心して肩の力を抜くことが出来る場所をAが作ってくれて、本当に良かったと思っているんだ」
杏寿郎さんが安心して肩の力を抜くことが出来る場所。
私は、私こそ杏寿郎さんがいてくれて、これから先ここで生きていきたいと思う居場所ができて、それが本当に幸せだと思っていた。
でも、杏寿郎さんも私と同じように自分の居場所を私の中から見出してくれていたとしたら、そんなに幸せなことはないと思う。
「杏寿郎とAは二人でひとつなんだ。好き合っているということは、そういうことだろう。だからこれからも、二人で手を取り合って生きていって欲しい。私から言えることはそれだけだよ」
「はい……！」
「さて、今日は杏寿郎が任務から帰って来る日だっただろう。きっとここへ寄って行くだろうから、杏寿郎が帰って来るまで屋敷内でゆっくりしていったらいい」
お館様は最後にそう言うと、奥へと下がって行った。
柱でも何でもない私は普段このお屋敷へ訪れることはほとんどないが、最後ぐらいお館様のご厚意に甘えて屋敷内を眺めることにした。
途中で丁度任務から戻って来たらしい蜜璃さんとしのぶさんに出会い、談笑していたら杏寿郎さんが帰って来る頃合いになった。
「A！お館様から伺ったが、来ていたんだな！」
「杏寿郎さん、おかえりなさい」
屋敷の庭園で杏寿郎さんと再会した。
今回の任務は少し期間が長かったため、杏寿郎さんと会うのは久しぶりのことだった。
蜜璃さんとしのぶさんもそれぞれ「お疲れ様です」と声をかけると、蜜璃さんが杏寿郎さんを見て首を傾げた。
「随分と大荷物なんですね」
「あぁ、今回は土産があるんだ！丁度いい、甘露寺にも渡すつもりだったからな！」
「えぇ！そうだったんですか！？わぁ〜、嬉しいなぁ」
「胡蝶にもあるぞ！」
「まぁ、ありがとうございます」
蜜璃さんとしのぶさんは、それぞれ杏寿郎さんからお土産を受け取ると、中身を見て顔を綻ばせていた。
どうやら蜜璃さんには桜餅を、しのぶさんには書籍を買ってきたらしい。
どちらも、今回の任務先で手に入ったものだと杏寿郎さんは語った。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ティカさん» はじめまして、お読み頂きありがとうございました。数ある作品の中から、ティカさんの中で1番だと思って頂けたことが本当に光栄です。これから先、更に心に響くものが書けるようより一層精進して参りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2021年3月4日 18時) (
レス) id: fbcf0daba9 (このIDを非表示/違反報告)
ティカ(プロフ) - あなたの小説とても大好きです！！これからもがんばってください！！応援してます！！！！！ (2021年3月4日 1時) (レス) id: 0c31e8c5ec (このIDを非表示/違反報告)
ティカ(プロフ) - コメント失礼します。今回、ましろさんの作品を初めて読まさせていただきました。時間も忘れて夢中になって読んでしまいました...。とても感動するもので、今まで読んだ夢小説の中で一番好きです！最後の方は涙が止まりませんでした(T-T) (2021年3月4日 1時) (レス) id: 0c31e8c5ec (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬ましろ(プロフ) - 羽っこ。さん» 失ってしまったものは元に戻らないですが、人生はこれからも続いていくので、生き続けて欲しいという願いで書きました。上手く汲み取って下さり、ありがとうございます！コメントありがとうございました！ (2021年2月10日 10時) (レス) id: fbcf0daba9 (このIDを非表示/違反報告)
羽っこ。(プロフ) - コメント失礼します！番外編読みました…！凄く感動しました。本編もそうですがその夢主ちゃんの強く生きていこうとする様子に心打たれました。切ないながらも希望に満ちている感じが凄く好きです！(^-^) (2021年2月9日 22時) (レス) id: 14df97ccd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月ヶ瀬ましろ | 作成日時：2020年12月31日 15時
