気になる気になる? ページ10
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土曜日。
「おはようございます」
「おはようー」
わださんと初めて一日シフトが被る日。
いつもは夕方だけとかだったから、午前中からは新鮮だ。
「あ、!Aちゃんおはよー」
「わださんおはよう」
「まってた」
「ん?なにを?」
「A」
急に距離を詰めてくるわださんは、未だに掴めない。
「いらっしゃいませー」
「今日のオススメいちごのタルトでーす!あ、買ってくれます?ありがとうございます!!」
最近気がついたこと。
わださんは明るくて、声のトーンが高くて、笑顔も爽やかだから自然とお客さんは寄ってくる。
それに加えて、コミュニケーション能力が高いから、売り上げも右肩上がりの日が続いた。
レジ担当も土曜日は2人だった。
「あ、今月の土曜日全部同じにした」
「シフト?毎週??」
「そ」
「えー」
「ビミョーな反応しないでよ。地味に傷つく」
「うそうそごめん」
「気になる」
「気になる?」
「Aちゃんが、何考えてるのか」
「これといったこと何も考えてないよ笑」
「これでも、?」
顔を覗き込んで来て、視線が絡まる。
「……っふふふ、」
「なんで笑うの!?」
約20cm下にいる私に合わせて屈むわださんの体勢に、思わず笑ってしまった。
「体勢が、爆笑」
「じゃあ上向いて…………っ痛!」
「バイト中です」
わださんの額を軽く叩いて誤魔化した。
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作者名:やきぷりん | 作成日時:2021年9月22日 2時