実はn番目。 (ページ23)

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あの頃の余韻ページ23

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8月上旬。
久々に動いたLINEは一日の予定を埋めた。

もう光成はいる。

あの頃と変わらない、いつも必ず私より早く着いてるんだ。

「……こ、光成、！」

「…！おはよ、」

「待ったよね」

「ううん、俺が早いだけ。ほら、時間もまだ5分くらい前だし」

「そっか、」

「じゃあ、行こっか」

「うん」

デート(?)プランは全部光成が決めてくれた。
お洒落でお手頃価格のご飯屋さんでお昼を済ませ、ショッピングモールとその近くにある街店舗通りを適当にプラついた。

「こういうのA好きそう」

そう言って花びらがモチーフになっているゴールドのピアスを見せてくる。

「え、！かわいい！」

「やっぱり！笑」

「でもピアスだ、」

「イヤリングにリメイクすれば使えるから、プレゼントするよ」

「そんな、！いいよ！」

「俺がしたいから。………あ、でもリメイクする時間はちょうだい！笑」

「……うん、ありがとう」

なんだ。普通に楽しんでるじゃん、私。

この時間は光成がクロだとかシロだとか、わださんに会いたいだとか。
余計なことを考える暇もないくらい、素直に楽しんでて。

あぁ、まだ好きなのかな。冷めたのは一時の感情だったのかもしれないって根拠もない余韻に浸った。

「いい時間だし、そろそろ帰ろっか…？」

夜ご飯も外で済ませ、他愛もない話で盛り上がっていると気づけばもう9時を回る。

楽しかったから、帰りたくないな。
なんて思ったりして。

光成は人を幸せにする能力を持ってる、なんてね。笑

「ひさしぶりに出かけられてよかった。楽しかった？」

「うん、こんなに笑ったの久しぶりかも笑笑」

「よかったぁー！」

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