犬系男子 ページ15
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胸元がくすぐったい。
両脇あたりに細い何かが当たって背中に巻きついてる。
腕かな?
次はすごいスリスリしてくる。
髪の毛?
手探り状態でそれを撫でると んー、と甘えた声がした。
犬…大型犬と寝てたっけ私。←
サラサラした髪の毛を撫でる感触が、何となくだけど落ち着く。
ここにいるから、大丈夫。って。
ずっとこのままがいい。
「………、おはよぉ」
その声を聞いて思い出した。
わださん。
わださんの家に泊まったんだ。
犬じゃなかった。
「………っんふふ、」
「…わ、ださん」
「Aちゃん固まってる笑 ポカーンって笑」
抱きしめられながら寝てたはずなのに、起きたら立場逆転。
私がわださんを抱きしめて寝てた、??
どういう経緯?
「あ、そうそうそう!Aちゃんのココ(胸元)収まり良かったんだよね」
「馬鹿にしてる?」
「ちがうちがう!俺なよっちいから…ダイブされる側よりする側かなーって」
「それフォロー?」
「そんな気にしてないし!むしろちょうどいい!!」
「変態」
「かも」
そのまま上に覆いかぶさられて、視界に入るのは8割わださんの髪の毛。
下に目を向ければ上目遣いのわださん。
「昨日、言ったこと。俺本気」
ここで私も好きと言えば、どうなるんだろう。
わださんは光成の存在は知ってるけど、私と(一応)付き合ってることは知らないから、光成との関係は終わりを告げて、わださんとの新しい関係が始まる?
それとも、光成との関係を引きずって、わださんとも関係を持って……、?
「Aは、………俺のことどう思ってる?」
「……………………………いぬ」
「そうじゃなくて、!……俺本気だよ、?」
「……わかってる…けど、まだわかんないよ」
「………わん、」
それから何度か、いや、毎週土曜日はわださんの家に泊まることが増えた。
知りたくないことも知れちゃいそうで、今は何だか少し怖い。
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作者名:やきぷりん | 作成日時:2021年9月22日 2時