黄:ペアリング ページ23
マンションの広い一室
私をガッチリとホールドしながら眠る綺麗な横顔を眺める
この間会った時は赤かった髪が今日は金に染まっている
人に触られるのは嫌って言うから
私ですら触れたことのないその髪の毛に
唯一触れたであろう女の人が羨ましくてしょうがない
多分、その人には私が会うこともなければ見ることもない。
感じるのはいつだって抱き合った時の指輪の影。
いつも絶対に付けてるリング。
することをして2人とも熱の冷めないうちにボヤけた頭のまま聞いたことがある
その時素っ気なく「ペアリング」と答えられた
絶対に私と貴久くんの間にはないしこれから先もありえないペアリング
何だかそれがとてもつもなく羨ましくて、急に寂しさが込み上げた
分かってるにも関わらずその寂しさが余計に
傷として刃として刺さったみたいに苦しくて
初めて私の方からもう一回とねだったのを思い出した。
そういえば今日、会って早々に聞かれた「誕生日プレゼント何欲しい？」
迷って迷って、毎年恒例と化したテディベア。
お陰で彼とこの関係になってから自宅には可愛いテディベアが待っていてくれる。
誕生日もクリスマスもバレンタインも、ほぼ毎年定番。
特に誕生日は決まってテディベア。
「本当にいいの？」と聞いてくるけれど本当に欲しいものなんて言えないでしょう？
だって私が本当に欲しいのはいつだってあなたからの愛。
はっきりと伝えたらあなたはくれるんだろうか。
マンションの広い一室で綺麗な横顔を眺めながら考える午前2時
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作者名：櫻子 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/4chuchuamour
作成日時：2019年1月21日 3時
