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第30話 ページ36

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「ここです」


女の人に案内されたのは一般的な屋敷だった


ただ、他の民家とは少し距離がある。


「ありがとうございます」


お礼を告げて屋敷にお邪魔する


「もうすぐでご主人様がお帰りになられますので、その時になりましたら夕餉にいたします。」


そう言うと女の人は部屋を出ていった。


彼女は給仕だったようだ


「伊黒さん…どういうつもりですか?あの女の人からは鬼の気配は感じ取れなかった。この屋敷からも伺えません」


「嗚呼、そうだな。」


「なら、何故ですか?」


「あの女には何かある。鬼が出ると知っていて、暗い時間に外に出るのはおかしい。そもそも、あの女が声をかけるまで気配を全く感じなかった」


確かに…。


そういえばいきなりだった。


足音もしなかった。


おかしい…


何かがおかしい…。


「しかしあの女は鬼ではないだろう。お前の言う通り鬼の気配がほとんどしない」


「ですね……。なら…あの女は鬼に操られているか、あるいは…」


「鬼の血鬼術か…だな」


仮にも後者だったとしたら、かなり気配を隠すのが上手いのだろう


「なら私達は今、鬼の巣窟に招かれているということですね」


「嗚呼、こちらから探す手間が省けた」


「………」


そうだけど…


「都合良すぎじゃありません?私達…」


まんまと罠に引っかかった鴨みたい


「そんなことはない。逆に利用してやればいい。そんなことも考えられないのかお前は。」


「……分かりましたよ。そう考えることにします」


こう、いちいち一言多くて少しイラッとくる


とりあえず今は、その主人を待つことにした。

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- 面白いです!凄く! (2022年12月29日 22時) (レス) @page27 id: 7c164536f1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 更新頑張ってください!!続きが気になります!! (2022年12月29日 20時) (レス) @page27 id: 1103151c8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Gatto: | 作成日時:2022年12月24日 0時

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