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「見渡したけど、いない。」
「いない？姿を見たんですか？」
「さっき、見たの。
全身黒で長袖で…顔も髪色も分からないけど大きいから男だって事だけはわかった…」
信号が青に変わる。
幾分落ち着きを取り戻した私は普通の速度で歩く。
ザワザワとした喧騒がまるでバリアのように感じられる。
「もうその角を曲がって真っ直ぐ行けば僕の家です。
落ち着いてくださいね。」
「ありがとう、一旦切るね。605だよね？」
「はい、そうです。僕も今部屋出て下に降ります。」
プツっと切れた電話を耳から離すと急に心許ない気持ちになる。
焦るな、落ち着いて…自分に言い聞かせながらしっかりとした足取りで向かう。
大通りを右折すると急に人気が無くなる。
しかしながら周りに黒づくめの男がいない為少し安心しながら歩く。
ジョングクのアパートと思しきマンションの前にジョングクと似たような背格好の人影を確認した。
心の底から安堵し思わず駆け寄る。
「ジョング、」
その後ろ姿が全身黒で長袖である事、帽子を被っている事、追い掛けられていた黒づくめの男もジョングクと同じくらいの背格好だという事に気付いた時にはもう遅かった。
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「やっとみーつけた。」
腕を引かれ抱き留められた耳元で聞き慣れたバリトンが響いた。
「えっ…………………」
ギュウギュウと抱き締められて苦しい。
押し付けられたスプリングコートからは上品な香りがする。
「何で逃げるの？酷いなあ。」
この声は。いつもイヤホン越しに聞いていた。
「しかもこんな遅くにジョングクの家に行くなんて…何考えてたの？」
まるで恋人に話しかけるかのように甘ったるい雰囲気。
何もかもがちぐはぐで理解が追い付かない。貴方は………。
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プレミアムゴミ箱(プロフ) - 綿飴さん» 綿飴さん》コメントありがとうございます、モチベーションになります！ あまり万人ウケはしないかなと恐る恐るの投稿だったのですが楽しんで頂けたようで嬉しいです(^^) (2020年8月15日 1時) (
レス) id: 57690f75a5 (このIDを非表示/違反報告)
綿飴 - こういうの待ってましたー！拝読いたしましたが面白くて一瞬で読み終えてしまいました。ゆっくり読み返そうと思います(*´∇｀*) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 88267eaedc (このIDを非表示/違反報告)
プレミアムゴミ箱(プロフ) - 理緒さん» 理緒さん》コメントありがとうございます、励みになります！確かにその2人もこのテイスト似合いそうですね、参考にします^ ^ (2020年7月29日 19時) (レス) id: af3afd7a63 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - この作品好きです！ジンやユンギverも見てみたいです！今後も楽しみにしていますね！ (2020年7月29日 19時) (レス) id: 1f34a6560b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プレミアムゴミ箱 | 作成日時：2020年7月28日 22時
