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第10話 愛がすごい ページ10

甘露寺の、実弥も動物が好きなのかという発言にAはピクリと反応した。


「実弥って魚とか昆虫、割と昔っから好きだよね」

「…まあなァ」

「動物に触れるとき優しい顔してるしね」

「あ゛?優しい顔ってなんだ悪かったな悪人面でェ」


その会話を聞いて、「あ、でも確かに」と蜜璃さんが手を合わせて目をときめかせた。


「不死川さんAちゃんの話をするときも、小動物を見るような目で凄く優しそうな顔してるもの!」


ねえ待って、不死川さんのあたりから実弥に耳塞がれて聞こえなかったんだけど。


「急に何?!実弥のせいで蜜璃さんの話最後まで聞こえなかったんだけど?!ごめんなさいもう1回…」

「甘露寺」


実弥は甘露寺の名を低い声で呼ぶと、甘露寺はええっと…!と口をもごもごさせてしまった。

なんなんだほんとに。


「──ほら、もういいだろ甘露寺、そろそろ行くぞ」

そろそろしびれを切らした伊黒さんはそう吐き捨てるように言うと、スタスタと反対方向を歩いて行ってしまった。
そんな後ろを蜜璃さんが慌てつつも小走りでついて行く。

「も、もお〜!伊黒さんったら!!不死川さん、Aちゃん、また今度ゆっくりお茶しましょうねっ!」

じゃあと言って去って行った。

「…。」

横にいる実弥を見上げると、ほんの少しだけぐったりしているように見えたのは気のせいだろうか。
まあこういうとき、実弥が押しに弱いのは知っている。だからこうして強引に連れ回す事が出来るのだ。


「…ペンギン、見に行こうか。」

「…あァ。」



──こうして私と実弥のお出かけは幕を閉じたのだった。

…そしてその日の夜。


食事もお風呂も済ませ機嫌がいいAは、鼻歌交じりに実弥の部屋のソファへと倒れ込み、お土産にと買ってもらった水族館限定ペンギンの新作ストラップを掲げてにんまりと笑う。


「ふふ、かわい」


余程気に入ったのだろう。さっきからずっと手に握りしめては、見つめてを繰り返している。


「…気に入ったんならなによりですわァ」


ぽたりと額に水滴が落ちてきた。

見上げると、風呂上がりでハンドタオルを頭から被った実弥がこちらを覗くように立っている。

「もーはやく頭乾かしなよ濡れてるじゃん、またそれで寝るつもりでしょ」

「ほっとけェ、んなもんすぐ乾く」

「だめ!!風邪ひいちゃうから!!」

「…強引だなァ」

こっち来て!と言うお嬢に根負けして渋々ソファに座る実弥。

でもお嬢といるこの時間が好きなのだ。

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つきこ(プロフ) - りついちさん» 楽しんで頂けているようで嬉しいです(;_;)頑張って更新していきます!ありがとうございます^^* (2020年4月13日 20時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
りついち - めちゃめちゃ面白いです…!!更新頑張ってください!!楽しみにしてます!! (2020年4月12日 23時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - 零華さん» 遂に手出しましたね…!相手が未成年なのでかなりやばいですね笑 もっといちゃつかせたいです… (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - うぐいすのしっぽさん» 楽しんで読んでいただき何よりです笑 ありがとうございます(^^) (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - お!ついにさねみん手を出した!!サツの出番かな?(いいぞもっとやれ!!) (2020年4月12日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つきこ | 作成日時:2020年4月7日 13時

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