第28話 こじらせてる ページ28
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「それはそれは…お嬢のあの声はたまんなかったぜェ?なァ?A?」
「ばっ…!!!」
バカ実弥!!それじゃあ誤解を生んじゃうでしょ…!!とAが反抗の言葉を言い切る前に、肩を抱き寄せる手とは真逆の手で彼女の口を封じる。
「騒がねェほうがてめえの為だ、余計な奴らを牽制するにはちょうどいいだろ」
「…!!」
なんて奴。やっぱり考えることはゲスい。
「──っていう事があったの、善逸。」
「それ絶対好きじゃん?!?!?!」
「え?」
いや不死川さん、と付け加える善逸。
「実弥が…?私を…?」
「うん」
「いや…無いでしょ。」
「逆になんで分からないの?!頭イッてる?!」
「えっ逆になんでそう思うの?!私が言うのもなんだけど普通好きな子に乱暴なことする?!」
「いや…まあ…それは不死川さん…だからサ…。」
──親睦会から一夜明けた翌日。
いつものように私は学校へ登校した。
2時間目の終わりに、現代文のノートを集めて職員室へ持っていこうとしている善逸が目に止まったので、優しいAはノートを半分ほど持ってやり、そのついでに昨日あった親睦会での出来事を話すことになったのだ。
善逸は私を一目見るなり小さなため息をついた。
「ていうか不死川さんのことで相談って言うから何かと思ったら…え、なに、答えなんかもう見え見えなのに何を迷ってんの??俺が禰豆子ちゃんに無視されてるっていう事に対する当てつけ??」
こいつ、とうとうあの禰豆子ちゃんに無視までされているのか。変な事したんだろうな。
「や、なんていうか、かれこれ実弥とは7年くらいの付き合いになるんだけど、取られたくないとかそういう意味で嫉妬しちゃう事に気づいたのが今回がはじめてで…」
どうしたらいいのか、分からなくて。とAは続ける。
「つまり不死川さんのことが好きって事な。」
「…っ?!えっ、や、そ、そういう事言ってるんじゃなくて…!!!」
「そういう事だよ。お前とことん面倒臭いな」
いいじゃん両思い〜素直になりなよ〜とオネエみたいな声を出しながらノートを抱えるその肩で私を小突く善逸。
「ちょっと…!!これぶちまけちゃいそうになるから辞めて…!!」
「く〜っ羨ましいねェェ!!いちゃつきやがって!!長年の両思いこじらせてる暇あるなら早くくっ付けリア充バカ野郎共!!!!」
「だぁから両思いとかそういうの違うってばああ!!!」
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つきこ(プロフ) - りついちさん» 楽しんで頂けているようで嬉しいです(;_;)頑張って更新していきます!ありがとうございます^^* (2020年4月13日 20時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
りついち - めちゃめちゃ面白いです…!!更新頑張ってください!!楽しみにしてます!! (2020年4月12日 23時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - 零華さん» 遂に手出しましたね…!相手が未成年なのでかなりやばいですね笑 もっといちゃつかせたいです… (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - うぐいすのしっぽさん» 楽しんで読んでいただき何よりです笑 ありがとうございます(^^) (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - お!ついにさねみん手を出した!!サツの出番かな?(いいぞもっとやれ!!) (2020年4月12日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つきこ | 作成日時:2020年4月7日 13時