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第21話 挨拶まわり ページ21



「やめてもらませんかねうちのお嬢口説くのはァ」


戻ってきた実弥が私の腰に触れる宇髄さんの手をぐりっとひねりあげた。
いててて!!?!おま手加減しろっつーの冗談だよ馬鹿!!と彼は叫ぶ。


「こっちは冗談じゃねェんだよ…いい歳した大人が…」


ふつふつと怒りを露わにする我が従者。


「なんなら一夫多妻制なんか日本で認められてねェんだからサツに突き出してもいいんだぞ?あ゛?」

「まじでやりかねなさそうだから怖い」


だったらこれに懲りて二度と触んな、と宇髄の右肩を押して私の手を引き、誰も寄せ付けぬ形相で私を室内へと誘導していったのだった。









「──こんにちは、風雅屋組直系、七瀬組 組長の娘、七瀬Aと申します。炎帝会の煉獄様にはいつもご贔屓のほう、有難く存じ上げております。」


普段の雰囲気から想像できないような口調で、挨拶回りを淡々と済ますA。

その堂々としたたたずまいと、整った容姿、丁寧な言葉遣いと完璧な会釈は、誰もが見惚れるほど美しい。

相手の組の幹部である煉獄は、我が子の成長を嬉しく思うかのような瞳で、「元気そうでなによりだ」と言う。


「ええっと…次の方は…」

「岩波会の悲鳴嶼理事長です」

「うわぁ…いつ見ても漢字書けない自信あるわこれ」

「無駄口叩く前にちゃんとしゃべりやがれ」

「うるさいなちゃんとやってるじゃん…」


話す時には相手の目を見て、発音はハッキリと。
声は聞き取れる大きさを意識し、かつ柔らかく。

今日の親睦会に向けて、この数日間のあいだ実弥のスパルタ講座で嫌ほど意識させられた事だ。


「1番言葉遣い勉強し直したほうがいい人になんで教えられたのか不思議だわ」

「よーし歯ァ食いしばれェ」

「ひいっ?!あ、あれ、声出てた?!」


ヤクザの世界の中で信頼関係を築くのに重要なのが、“顔”の広さだ。

高二だろうがなんだろうが、年齢関係なく“挨拶”と“礼儀”が出来ない奴は、主従関係や縦と横のつながりが厳しいこの社会では生きていけない。



「挨拶回り…悲鳴嶼さんで終わりか…」



──悲鳴嶼行冥。その名を見てふと思い出す。

実弥の弟の件、どうなったのだろうか。

あえて今まで聞かないようにしていたが、こればっかりは避けては通れない。

チラッと実弥を見ると、無表情で名簿者リストに目を落としていた。


「……弟さん、今日来てるかもね。」

「あ゛?……俺の弟は全員死んだってんだ、なんの事だか知らねェな」

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つきこ(プロフ) - りついちさん» 楽しんで頂けているようで嬉しいです(;_;)頑張って更新していきます!ありがとうございます^^* (2020年4月13日 20時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
りついち - めちゃめちゃ面白いです…!!更新頑張ってください!!楽しみにしてます!! (2020年4月12日 23時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - 零華さん» 遂に手出しましたね…!相手が未成年なのでかなりやばいですね笑 もっといちゃつかせたいです… (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - うぐいすのしっぽさん» 楽しんで読んでいただき何よりです笑 ありがとうございます(^^) (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - お!ついにさねみん手を出した!!サツの出番かな?(いいぞもっとやれ!!) (2020年4月12日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つきこ | 作成日時:2020年4月7日 13時

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