第1話 早朝 ページ1
西日本で最大の勢力を誇る裏組織、その名も風雅屋(ふうがや)組。
そこにはごく普通に女子高生として過ごす可愛らしいお嬢さまと、その従者、凄腕の番犬がいるという。
お嬢こと、風雅屋組直系の七瀬組組長の愛娘、七瀬Aは重い瞼を軽く擦りながらけたたましく鳴り響く目覚まし時計のアラームを乱暴に叩いて止めた。
「寒い…布団から出たくない…あと5分…」
いつも通り、そんな生ぬるい発言を零すと布団を深く被り直し、再び眠りの世界へと落ちてゆく。
そんな矢先、音が響くほど勢いよく開いたのは私の部屋の扉だろうか。嫌な予感しかしない。
「お嬢ォォ!!てめいい加減起きろ!!遅刻してしまうだろうがァ!!!」
べりっと布団をすばやく巻き上げられ、ぎゃああ?!と色気のない声が出た。
「ちょ?!急になにすんの寒いってば!!!もっと優しく起こしてよおお実弥ぃい」
「あ゛ァ?!いつもいつもちんたらしやがって!!優しくしたところでてめえは起きねえだろうが!!!!」
「起きます…起きますってば…」
「朝メシ食べる間もなく学校行って、昼休みになるまで授業中その腹を盛大に鳴らし続けて恥ずかしい思いをしたからはよ起こせと俺に命令したのはどこのどいつだ」
「わああ!!起きるってば!!!」
真っ赤な顔で慌てふためきながら飛び起き、食卓へ向かおうと髪を手ぐしで整えながら高校の制服を引っ張り出す。
パジャマのボタンに手をかけて、ハッとした。
一時停止した後にくるっと実弥の方を振り向き、「さねみ…」と目で扉の方へ向かうように合図する。
「…あァ、お気遣いなく。どうぞそのまんま着替えて下さい。俺は気にしねェからよォ」
「いやお前じゃなくて私が気にするから!!?なんで毎朝しれっと着替え中いるわけ?!?!!どさくさに紛れて気づいてないとでも思ってんの?!?!!」
「クックック…気配を消すのは得意技だからなァ」
「そういうの自慢しなくていい」
「なんだ恥ずかしがってんのかァ?」
「出ていけ!!!」
変態!!と付け加えるかのように実弥の大きな背中を扉の方へ押し返す。へーへーと軽く返事をしながら不服そうに手を挙げて扉の向こうへと消えていった。
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お嬢のお父さんだけ鬼滅にはいないオリジナルキャラクターとなっております。
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つきこ(プロフ) - りついちさん» 楽しんで頂けているようで嬉しいです(;_;)頑張って更新していきます!ありがとうございます^^* (2020年4月13日 20時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
りついち - めちゃめちゃ面白いです…!!更新頑張ってください!!楽しみにしてます!! (2020年4月12日 23時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - 零華さん» 遂に手出しましたね…!相手が未成年なのでかなりやばいですね笑 もっといちゃつかせたいです… (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
つきこ(プロフ) - うぐいすのしっぽさん» 楽しんで読んでいただき何よりです笑 ありがとうございます(^^) (2020年4月12日 17時) (レス) id: 1520dc3908 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - お!ついにさねみん手を出した!!サツの出番かな?(いいぞもっとやれ!!) (2020年4月12日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つきこ | 作成日時:2020年4月7日 13時