はち。 ページ9
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『 ……ん、もしかしてもう朝なの、』
いつの間にか寝てしまっていて夜が明けたらしく善逸くん伊之助くんはまだ寝ていた。
縁側の方に炭治郎くんと思われる人影が見えたから、障子を開けて近くへ行く。
『 おはよう炭治郎くん 』
「 おはようございます、Aさん 」
笑顔が素敵で、炭治郎くんはとても暖かい人なんだなと感じた。
でもその笑顔は一瞬にして消えた。
「 ……そういえばAさん、起きて早々申し訳ないんですが 」
『 どーしたの、炭治郎くん 』
「 本当は知ってるんですよね、どうなってしまうのか 」
そうだ、彼は鼻がきくんだった。
完全に図星をつかれて、今更嘘なんて言えない。
『 ……鋭いね 』
「 悲しそうな、嘘をついているような匂いがするんです、もしよければ俺に教えてくれませんか? 」
『 心配かけちゃったよね、ごめん。
でもこの事はしのぶちゃん以外には言わないでね 』
「 はい、ちゃんと約束します 」
彼の優しさに触れて心が安堵した。
文字に書いたようにすらすらと言葉が出てくる。
『 この病気にかかったら、羽に生気を吸い取られ続けて死んでしまうの。
そりゃあ人間だからいつかは死んじゃうけど、天使病による死はこの羽が十分に大きく綺麗になり果てた時に来る 』
炭治郎くんは絶望したような、分かっていたような、そんな顔をする。
そうだよね、信じられないよね。
『 笑顔な素敵な炭治郎くんにそんな顔をさせて、余計に心配をかけてしまってごめんなさい 』
「 ……いえ、聞いたのは俺なんです
無理に話させてしまって本当にごめんなさい 」
炭治郎くんて、本当に優しい子なんだなって思う
大して話した事もない人にもこうやって寄り添ってくれる。
『 でも私はこの羽のおかげで、後悔しない人生を送ろうって強く思えたから良いの 』
_____私はこの羽のおかげで強くなれた。
炭治郎くんと真剣に向き合って目を合わせてそう放った。
「 俺は、Aさんともっと話したいし稽古だってしてほしいです
だからまた一緒に任務に行きましょう、今度みんなでお出かけしましょう !!!!!! 」
『 うんッ、 』
ああ私、周りの人にも沢山恵まれてたんだなあ。
____と思ったら急に背後の障子がザッッッッッと音を立てて開いた。
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作者名:そふぃ。 | 作成日時:2023年1月29日 16時