翼を持つ者。 (ページ14)

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じゅーさん。ページ14

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「 .....おい、なんだ今の技は」

『天の呼吸の伍ノ型だけど
これは柱の誰にも見せた事は無かったかもね』

「 ......嗚呼」

『もう、ちょっとは良い反応してよね』

今まで柱の誰にも見せた事がなかった天の呼吸伍ノ型。

優しくて温かい技。

水の呼吸で言うならば伍ノ型のような技である。

「 .....その技からは気迫を感じない、何故だ」

『干天の慈雨みたいなもんよ
決して頸を落とすだけでなく鬼への労いを込める意味もある』

「人を食う鬼を何故労う」

そうだ。鬼は人を食い殺す。

でもだからと言って好き好んで鬼になった訳ではない鬼も
中にはいるのである。

人を傷つけず自分が飢えて死のうとする鬼もごく僅かだが存在している。
それはなかなかに珍しいケースであるが＿＿＿＿

『義勇はさ、人を食わずに自死を選ぶ鬼と出会った事がある？』

「 .....少なくとも、人を食った自分を恨み忌み嫌った鬼に出会った事はある」

言ってしまえば鬼が人を食らうのは本能なんだ

私たち人間が魚を食い野菜を食い肉を食らうのと同じ。
せめて良心が残っている鬼の頸は優しく温かく落としてやりたい。

『鬼は人を食らうものだけど
本当にごく僅か、人を食わず飢えを選ぶ鬼もいるの』

『私はそんな鬼に何回か出会ってきたんだよね』

「 .....そういう奴に、その技を使うと言うのか」

先程まで険しかった義勇の頬が和らいだ。

そうだよね、あなたは鬼に姉を食われたんだもの。

「実は炭治郎も、那田蜘蛛山の母鬼に干天の慈雨を使っていたそうだ｣

『 .....へえ、炭治郎くんが』

「きっと炭治郎もお前と同じ考えがあったのだろう」

彼も家族を鬼に食われてしまった身なのに。

＿＿＿＿しかも、" 鬼舞辻無惨 " に。

『 .....ねえ義勇』

「なんだ」

『私、最後の天柱になる』

「 .....なるほどな、なら俺は最後の水柱だ」

私たちは必ずしも最後の柱となり、
最後の鬼殺隊員になる。

それが " ｱｲﾂ " への最大の復讐であり
食われた家族、殺された隊員の敵討ちなのである。

＿＿＿＿そして、我らが御館様への最高の恩返し。

「 .....必ず俺たちがﾔﾂの頸を落とそう」

『よっしゃ !! 良い心意気だー !!!!!! 』

＿＿＿＿まであと＿日