じゅー。 ページ11
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『 宇隨さ ッ、』
「 遅くなって悪ぃな、怖かったろ 」
宇髄さんはそっと優しく抱き締めてくれた。
男は隅で倒れ込み気絶したままで起きる気配もない。
「 こんな真っ昼間から女狙う阿呆もいるもんだな、御前可愛いんだから気をつけろよ 」
『 別に私可愛くないので 』
「 あーあせっかく助けてやったのに 」
『 それはすごい感謝してますけど......
そもそもなんでここに宇髄さんがいるんですか 』
「 え ? こいつだよ 」
は?という顔の宇髄さんの親指が示す先には鎹鴉。
紛れもなく私の相棒の鎹鴉である。
「 御前が指示出したんじゃねえのかよ 」
『 出してない、です 』
「 へえ、じゃあ自分の判断で助けを求めに来たって訳か、Aの事相当好きなんだな御前。ド派手な奴だぜ 」
『 ......ありがとうね 』
鎹鴉はゆっくりと頷いた。
私の鎹鴉は無口で大人しい為だ。
......私とは正反対 ? よく言われますとも
「 そういえばA、もう任務は無いんだろ 」
『 そうですね、無いです
あとはもう屋敷へ帰るだけですね 』
「 じゃあ特別に俺が送っていってやるよ 」
『 え、いや悪いですよ 』
「 あんな目に遭った可愛い同僚ちゃんを置いてそそくさ帰れると思うか ? 」
『 う ッ、』
「 ほら、ぐだぐだしてないでとっとと帰るぞ 」
宇髄さんが送ってくれるとの事で並んで歩き始めた。
合同任務もしばらく無かったし休みの日も集まったりしていなかったから、こうやってまったりとお喋りするのはかなり久しぶり。
「 来たのが俺じゃなくて不死川とか胡蝶だったらあいつ、気絶どころじゃ済まなかっただろうな 」
『 しのぶちゃん、笑顔で毒刺してきそう 』
「 不死川はひたすら刺しまくるだろうな 」
『 すごい形相で グサグサ してそう 』
そいえば何で気絶で済ませたんだろう。
さすがに人間を殺すのは気が引けたとか ?
正直聞かない方が良い気がする。
それに、久しぶりのお喋りの内容がコレなのはどうかとは思うが楽しければ良い。
と思っていたけどなんだか違和感を感じてきた。
『 ......あの、宇髄さん 』
「 地味に黙ってどうしたよ 」
『 方向違いますけどどこ向かってますかこれ 』
「 ............ 」
『 地味に黙りやがるな下さい !!!!!! 』
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作者名:そふぃ。 | 作成日時:2023年1月29日 16時