拾陸 ページ17
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善達を見送ってから、私は放り出された時のショックで気絶してしまった浩さんが目覚めるのを待っている。善と一緒にいたのは竈門炭治郎だと名乗っていた。なるほどあれが主人公か。
「うっ………ここは……おれは、助かったのか…?」
『浩さん!助かりましたよ!何処か痛いところとかないですか?』
私は足が痛い。善に合流すると行ったけど多分無理。カミナリノコキュウデキナイ。
「生きてる………ありがとう…ありがとう!!」
『いえいえ。立てますか?麓の村まで行きましょう。』
あー痛いー。まさか鬼と関係ないところで怪我するとは誰も思わないじゃんー。
「だ、大丈夫ですか…?」
『あー、はい、大丈夫です。』
私が浩さんを送り届ける立場なのに私今浩さんに支えられてる。逆じゃん。
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「Aさん、本当にありがとう!!貴方は僕の命の恩人だ!何かお礼をさせてくれ!」
『いえいえ。仕事ですので助けるのは勿論です。まだ任務が終わっていないのでお気持ちだけ頂戴しますね。』
浩さんを無事村に送り届け、話していると蓮琉が来て私の頭をつつきだした。
そうかい早くしろと。わかったよ。
『それでは、香袋は肌身離さず持っていてくださいね!あと暗くなってからはあまり出歩かないように!』
と別れを告げて屋敷に向かって歩き出す。
香袋とは藤の花の香袋のことで、村に向かう途中に蓮琉が吐き出した()ものだ。浩さんは稀ちらしいから香袋は必ず持っていないといけないらしい。でも吐き出すのはどうかと思うの。
『待って……山登るのきつい………』
やっと麓と屋敷の真ん中くらいまできた……
「鬼はもう全員倒したぞ。」
へぇ、鬼は倒したの……
『はあ?いつ。』
「お前が山に入る前。雀から連絡きた。」
『もっと早く言えよ………』
使えねぇな。とは口にしなかったが。
いや言うの遅すぎんだろなんだよ私が一生懸命既に鬼のいない屋敷に向かって登ってるの見て笑ってたのか?あ?蓮琉さんよぉ。
怒ってても仕方ないので次の行き先を訊ねたら待ってろと。
『……ちょっと寝る。起こして。』
まじで疲れた…
みんなよく考えて。私ゆいちゃんの村からここまで夜どうし歩いてきたの。寝てないの。蓮琉に急かされて。寝かせろ。
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作者名:榮凪 | 作成日時:2020年2月23日 23時