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拾肆 ページ15





『ねぇ蓮琉、次の任務先って、ここ?』

「そうだ。」

『そう…』


また屋敷かよ………

『はぁ…とりあえず入るか…』

蓮琉の話によれば既に一人入っているらしい


屋敷に入って数時間。誰も見つからないし出ることも出来ない。1度部屋で休んでいた時に鼓の音が聞こえたあと部屋が変わった。どうやら屋敷自体が鬼の血鬼術らしい。昨日の鬼より手強そうだ。

ふと、遠くから声が聞こえて、誰かが近づいてくるのがわかった

「猪突猛進!猪突猛進!!」

えっ、猪………

『は……はぁ?』

なんじゃあれ。体は人間で頭が猪のやつがいた。なんて言ったっけあれ……あ、ケンタウロスだ


ポン

また部屋が変わった……

『これ……血の匂い?』

近くに人がいるのか?

『誰かいますかー助けに来ましたー』

鬼にバレないように少し小声で声を掛けていると通り過ぎようとした部屋から声がしたので開けると、頭から血を流した男の人がいた。
私は直ぐに駆け寄り、手当をして、話を聞くことにした。その男性は浩さんと言うらしい。

「3日前に化け物に襲われて気づいたらこの屋敷にいた!外に出られないんだ!ずっと出口を探しているのに!!部屋は変わるし…なんなんだよぉ……」

『大丈夫!一緒に出口を探しましょう!1人より2人なら安心でしょ?それに私はあの化け物を倒せますから浩さんも守れます。』

部屋の中に居るとまた部屋が変わるのに巻き込まれてしまうかもしれないから廊下に出た。

鬼に見つからないように静かに歩いていたその時

「おいお前…鬼狩りだな?そいつは小生の獲物だ」

鬼 に 見 つ か っ た

『っ……走って!!』

やばいやばいやばい追いかけてくるし早いんだけど!!何!何なのあいつ!なんで体に鼓が刺さってんのよ!!

これぞリアル鬼ごっこ!!って言ってる場合か死ぬぞ!

「…っ!Aさん!い、行き止まりだっ!!」

『部屋入って!!』

浩さんに続いて私も部屋に入った時

鼓の音と共に部屋が回転した。

『はぁ!?』

しかも回転させているのはさっき私達を追いかけてきていた鬼。どんどん早くなる。そして回転が止まった次の瞬間

『…え?』

急に明るくなった。外に放り出されたのだ。

「うわっ!たっ、助けて!」

『浩さん!』

咄嗟に浩さんの腕をつかみ抱え、体を捻って着地できるように体制を整える

しかし、

『っ………たぁ〜!』

着地?あぁ、失敗したよ。思いっきり膝ついた。痛い。

私が痛みに悶えていると聞きなれた声がした

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作者名:榮凪 | 作成日時:2020年2月23日 23時

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