拾 ページ11
『ねぇ蓮琉、私の任務先の町にはどんな鬼がいるの？』
私の鎹鴉の
「2日に1人、1桁の歳の娘が消えている。昨日1人また消えたから次は明日だろう。」
と。これでわかったと思うが私の鎹鴉は結構流暢に話す。
蓮琉の報告を受け、今日は情報収集をして休むことに決めた。
･
『着いた……』
日々子供が消えているとなれば当たり前なのだろうか。建物は沢山あるのに活気が全くない。人が少ないのだ。誰に話を聞こうか迷っていると、泣き声が聞こえてきた。
「まいちゃん…まいちゃん……？
おかぁさん、まいちゃんどこ？」
「まいちゃんは…もう、いないの。」
蓮琉に昨日いなくなったという子供の名前を尋ねると『まい』だと帰ってきた。少し話を聞いてみよう。
『あの、すみません。まいちゃんのことについてお話聞かせてもらえませんか？』
「え、ええ……あなたは？」
鬼殺隊のことは言ってもいいのかな……政府非公認って言ってたけど……
『鬼を倒しに来ました。藤咲Aです』
「…もしかして、鬼殺隊は本当にいるの？」
『ご存知でしたか…はい、私も鬼殺隊の一員です。この村に鬼が出るとの報告があり、任務で来ました。』
知られているのか鬼殺隊。でも政府から言われたりしないということは全国的ではないということか……令和の時代だったら終わってただろうな
「おねぇちゃん、まいちゃんを助けてくれるの…？」
『うん。助けるよ。そのためにお話聞きたいんだけど、いいかな。あなたのお名前は？』
蓮琉からの報告によれば、この鬼はすぐに食べないらしいからまいちゃんもまだ生きている可能性が高い。
「ゆいだよ、Aおねぇちゃん！
あのねあのね、きのう ゆいね、まいちゃんとおそとであそんでたの。それでね、くらくなってきたからね、あしたもあそぼうねっていって、ばいばいしたの。でもゆいね、まいちゃんにききたいことがあったから、よぼうとしたんだけどね、まいちゃんがいなくなっちゃってたの………ぅう……まいちゃん……うわぁぁんおかあさん！！」
うっ……罪悪感が………こんな小さな子に話させるんじゃなかった
「ごめんなさいね。続きは私が話すわ。今日この子と一緒にいつもまいちゃんと遊んでるところに行ってみたの。でもずっと待ってても来なくてね……まいちゃんのお宅に行ってみたら昨日から帰ってなくて探してると言うのよ」
ということは夕方頃にまいちゃんは鬼に連れ去られたのか……
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作者名：榮凪 | 作成日時：2020年2月23日 23時
