幼馴染は先生で同居人【冨岡義勇】

第43話 ページ48

Aside






｢……へ？｣


｢俺と結婚するって、先に言ったのはお前だ。時効だとは言わせない。｣



テーブルを挟んで、義勇の顔がこちらへ近づいてきた。




｢ちょっ、義勇あぶな………ん。｣


｢ん……。ふっ、鮭大根の味がするキスも悪くないな。｣


｢それは、義勇だけでしょ、ばか。｣


｢お前は悪いのか？｣


｢その聞き方は、あーーもう、ずるい…！｣




まだ中学生のお兄ちゃんだった頃の｢ぎゆう｣は今ここにはもう居なくて。


大人な｢義勇｣が、ここにいた。



でも、私が約束を交わした相手は一緒な訳で────






｢義勇、私16歳だよ。結婚、できるよ。

ねぇ、迎えはもう来てるかな？｣






｢…あぁ、もうそれはそれは楽しみに待っている。

好きだ、A。｣






｢私は好きじゃない。｣


｢え。｣





｢ふふっ、ごめんごめん。

好きじゃなくて、大好きだよ義勇。｣






｢……っそれは、狡いぞ…。

俺は、お前を愛している。｣






｢…私もだよ。｣






｢A。俺はお前の親にお前のことを頼まれている以上、

高校卒業はしっかり同居人として見届けなければならない。

しかも俺はお前の先生でもある。｣






｢うん。そう、だよね。｣






｢だけど俺は今でさえもお前を手放したくはない。大人げないが、待てない。


俺の恋人になってくれ、A。

そして高校卒業したら、妻になってくれないか。｣






｢…こちらこそ、よろしくお願いします。3年後の旦那さん！！｣

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