弐拾弐 ページ22
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「………よっ、し、」
終わったぁ……………
事前準備の書類なだけだから、思っていたよりも整理は速く終わった。
あとは、お館様かあまね様に渡せばいいんだけど………
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「………時透くん、大丈夫?」
時透「……………」
さっきから少し気になっていたのは、体制一つ変えず、ただ一枚の紙と向き合っている時透くんの姿。
手にはエンピツが握られているものの、それが動く気配は無い。
「……それは、何の、」
その紙をちらりと覗き込むと、一番上には
"鬼殺隊 特例報告書"
の文字が。
「………特例?」
時透「……僕が行った任務で、鬼は斬ったんですけど、なんか、そこの人たちが、色んなことを言ってたらしくて………?」
……あぁ、要するに、
鬼が出た何処かに行って、
目標の鬼は斬った、けど、
その周辺の人たちと面倒くさいことになった、ってところかな。
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仕方はない。
私たち鬼殺隊は政府非公認だし、
……鬼なんて、言っても信じられない、という人の方が多いのだから。
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時透「………でも、その人たちが何を言ってたのか、覚えてない」
いや、それじゃ報告書を書く意味無いよね。
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「……あれ、でも柱合会議ではしっかり情報共有できてるよね?」
時透「……鬼を斬るのは、ちゃんと覚えてるけど………
…これは、任務とは関係無い、ですよね」
うーーん、いやまあそうなんだけど。
…お館様も、これを時透くんにさせるとは……
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「………時透くんが良ければ、一緒に、考えてみよっか」
時透「……いや知らないのに書けないでしょ」
そりゃ知らないけどさ。
「私が時透くんに細かく質問していくから、時透くんはそれに少しずつ答えるの。
繋ぎ合わせたら、ある程度は書き起こせるよ」
時透「………へー…?」
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いまいち分かってない?気もするけど、
まぁやってみよう。
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ゆう - もうほんと、プロかってくらいの文才ですね半分分けろ(?) (2020年10月8日 22時) (レス) id: 7af342ea3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊咲 | 作成日時:2020年5月9日 15時