拾伍 ページ15
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………どうしよう、錆兎さんから綺麗な組紐を貰ってしまった。
いや、あそこまでいって受け取らないのも失礼だし、本当に嬉しかったのだけれど。
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「……優しくて素敵なひとだなぁ、」
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錆兎「よし、あと一つの店を回れば……
俺が早く済ませてくるから、少しここで待っておいてくれ」
「分かりました」
冨岡「))コクッ」
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錆兎さんが戻ってくるまで、私と冨岡さんは店前の椅子に腰掛けていた。
冨岡「ボー……」
冨岡さんは、錆兎さんと一緒にいるとすごく明るくなる。普段では想像もできなかったのに。
「………錆兎さんが凄いのかな、」
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冨岡「……錆兎がどうした」
「えっっっ!!??」
えっいや私今ポソッと呟いただけなんですけど!?
「っな、何でもないですよ」
冨岡「………錆兎はすごい」
「……いや、まぁ、そうですね」
なんだこの会話。
…錆兎さん何買いに行ったんだろーとか考えてたら、
ちょうど真向かいのお店の女の人が声を張って読んだ。
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女性「おっ、そこの美男美女の夫婦さん!少し見て行かない?」
「めっ………!?」
いや夫婦じゃないよ。美女もいない。
冨岡「……見るか」
「えっいや冨岡さんまず誤解を解きましょうよ」
冨岡「……何の誤解だ」
「夫婦って言われましたよ私たち夫婦じゃないでしょう」
冨岡「………夫婦に見えるのか、」
………はっ?
「いや冨岡さん仰っている意味が分からないのですがさすがに私と夫婦はしんどいでしょう」
冨岡「……………行くぞ」
いやまじで私と冨岡さんが夫婦はあり得ないでしょう
冨岡さん本当に何思ってるのか分からなすぎて怖い
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女性が呼び込みをしていたお店は、宝石のような石を扱っているところだった
綺麗な装飾とあって、小物、特に女性用の商品が多い
女性「この石はね、西洋で"ラインストーン"って言うんだよ!丁度あなたぐらいの年頃の女の子に人気があるんだ」
あっ、誤解は解きました。
「…綺麗………」
冨岡「………」
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ゆう - もうほんと、プロかってくらいの文才ですね半分分けろ(?) (2020年10月8日 22時) (レス) id: 7af342ea3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊咲 | 作成日時:2020年5月9日 15時