拾弐 ページ12
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わいわい、といつになく騒がしい。
色々な所から聞こえる話し声が楽しそう。
「……久しぶりの…町………!」
そう、今私はこの賑わう町へ降りて来ている。
買い物は小さい頃から好きだったし、最近は任務により来れていなかったからとてもわくわくする。
「何処から見ようかな、
あの洋服屋綺麗だな、……あ、お団子美味しそう………」
様々なお店が並んでいて、また何処もかしこも楽しそうなもんだから、色々と寄り道したくなる。
大丈夫、今日は非番だから時間は十分。
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「……よし、次は………」
少しお店も回れた頃。
「……ん??」
見覚えのある横顔。
しかも、一人じゃない。
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「………錆兎さん、冨岡さん?」
錆兎「……え、A?」
冨岡「Aか、」
偶然見つけたのは、現水柱のお二人。
まぁ気付くよね、髪色も髪型も特徴的。
「ご無沙汰しております。……お二方もお買い物ですか」
錆兎「ああ、師に贈る物を買いに来た」
……鱗滝さんだっけ、
凄いなぁ、定期的に手紙と用品を贈っているんだって。
良いお弟子さんだ。
錆兎「Aは、何をしているんだ?」
「私は町を見に…___ぁ、」
ざわざわ、耳に入る話し声。
話しているのは着飾った女の子達。
………そりゃそうだ、こんなにも美しい男性が二人も並んでいるんだから。
水柱のお二人は、すれ違う殆どの人を振り返させるほどの美貌を持っている。
錆兎さんは口に傷があるが、それが男らしさを引き立てている。
冨岡さんは女性も羨ましがる美形で、綺麗という言葉が似合い過ぎる人だ。表情筋死んでるけど。
そして今、この可愛らしさの欠片も無い私と会話をしている。
おかしいよね、知ってる。
早く退散しよ………
錆兎「そうだ、Aも時間があれば一緒に回らないか?」
「……え゛」
錆兎「どうだ、義勇」
冨岡「……ああ、」
「……えぇ」
いやちょっと待って。
私は貴方がたの側に居て良い人間じゃ無いんですよ。
錆兎「よし、行くぞ!」
付いて来い、と言わんばかりに進んでいく二人。
「えぇぇえぇ……」
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ゆう - もうほんと、プロかってくらいの文才ですね半分分けろ(?) (2020年10月8日 22時) (レス) id: 7af342ea3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊咲 | 作成日時:2020年5月9日 15時