Beloved lady ．【鬼滅の刃】 (ページ8)

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08──竈門禰豆子、煉獄千寿郎ページ8

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自室である部屋の戸をノックノック。
トントン、と響かせたのならお決まりの台詞…

「Beloved lady、Aです。
只今戻りました…」

と告げてはゆっくりと扉を開けた。

「おかえりなさい、Aちゃん」

「ただいまぁ、禰豆子ちゃんと千寿郎君」

出迎えてくれたのは長い黒髪で、炭治郎の妹の竈門禰豆子ちゃんだ。
彼女とは同い歳で、学校にも一緒に行って且つ部屋も同じ。
所謂ルームシェアと言った所かな。

「心配したんだよ？Aちゃんが一人でどっかに行っちゃうなんて…」

両肩を掴まれてそんな心配している曇りなき眼を向けられては唯々申し訳ないの気持ちがいっぱいになる。

「そうですよ。危ないですから外に出る時は必ず誰かと行動してください」

影の方からひょっこり出て来たのは煉獄千寿郎君。
心配してくれていた様だ。
私がお嬢の身であるから尚更なのだろう。

「でも、ご無事で良かったです」

元々下がり気味の眉を安堵したのか更に下げて安心しました、と笑った。
その微笑みが可愛らしくてつい

「千寿郎君は可愛いねぇ」

なんて言っちゃうのだ。
こんな私の様子にムッとしたのか千寿郎君は

「僕は可愛いと言われるよりかっこいいと言われる方が良いです」

と言うので自室に入って千寿郎君の頭をなでなでした。
この時間は何だか天使の様で落ち着いた。

「Aちゃん、夜は何食べたい？」

ベッドに座る禰豆子ちゃんの後ろで私はベッドで寝転がりながらネットサーフィンをしていた。
ネットを漁りながらふと見えた広告の中に流れてくる美味しそうなステーキに

「ステーキ食べたいなぁ」

って心の声が漏れていた。

「ステーキ…？良い案だね、私達が作るよ」

「へ…良いの？」

「うん！Aちゃんが食べたいって言うならそれに応えないとね！」

ふふんと自慢げに笑んだ禰豆子ちゃんに

「じゃあ、楽しみにしてる…！」

と子供に孵ったように目を輝かせて期待をしていると吐露した。

この屋敷で調理を担当しているのは禰豆子ちゃんと千寿郎君に加え、まきをさんに須磨さん、雛鶴さんの五人なんだって。
一度手伝いをしようと調理室とやらを覗いたのだが、美人なまきをさん達に止められたのだった。
“手伝いたい気持ちは受け取るけど危ないから駄目”ってね。

今晩のディナーは高級料理店かとクオリティのステーキだったという話はまた別な話…。