05──宇髄天元 ページ5
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悲鳴嶼さんの自室の戸を閉めた時、暗いなと思い顔を上げた。
真後ろには198cmの高身長且つイケメン過ぎる程顔が整った伊達男──宇髄天元が居た。
思わず声をあげたよね。
「ひぇ」
「そんな驚く事か?」
「当たり前じゃないですか。
いきなり長身の巨体が影を作ってたら誰でも驚きますよ!」
「待て、天元様を巨体って言い方するなよ」
こんな様子の私をからかう様にによによしている伊達男は、私の頭を肘置きにしたのだ。
しかも筋肉が凄いので押し潰されそう…。
(く、これがイケメンの圧か……!)
「悲鳴嶼さんに怒られたンだって?」
「100%私が悪いんですけどね」
「おー、自覚してンなら何よりだ」
にっこり双眸弧を描いて笑んだ天元さんに、
その笑顔はなんですかと言いたげに言葉を飲んだ。
「お嬢は俺の嫁で、
行きたい所あればこの天元様がどこでも連れてってやるよ」
勝手に嫁呼ばわりされているのはいつもの事だ。
彼に絡まれれば毎度口説いてくるかの様に連呼される。
一方で、この組織の名前は鬼殺隊という名前でやっているらしい。
勿論詳細は知らない。
私の耳元で連れててってやると言われると、毎度の事ぞわぞわする。
(こンの、色男め。顔もだけど声から細胞まで全てイケメンかよ。滅べ。)
なんて思ってしまうのだ。
満足そうに笑った天元さんは、じゃあなと片手を振ってどこかへ行ってしまった。
その背中を見送ったのなら、私は自室へ戻ろうと長い廊下を歩むのだった。
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作者名:緋燈 . | 作成日時:2020年9月30日 11時