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姉妹鬼は【風波】を避ける。
代わりに、私の足に棘の付いた縄の様な物が絡みついた。
恐らく姉様と呼ばれていた方の鬼が放った血鬼術だろう。
それはぐん、と私を持ち上げて逆さまの宙吊り状態にする。
『(まずい!しかし、もう一つの血鬼術は何処に・・・)』
『ッ、壱ノ型【漣】!』
【漣】は水面切りとほぼ同じ様な技。
邪魔な縄をこれで切る!
足に絡み付いた荊の縄を斬って地面へと落下する。勿論、きちんと着地はしたよ。
先程まで私の身体があったであろうその場所には、茂みから飛び出した斬撃と同じ物が通過した。
うわ、アレに当たってたら身体が上半身と下半身にスッパリ切り分けられてたわ・・・
これは・・・アレだな?姉鬼が捕獲して妹鬼が仕留める感じだな?
姉妹鬼の二匹は、私を挟んで左右の離れた所にいる。正直、時間が迫っているので長々と相手はしていられない。
どんな手を使ってでも・・・
なら、まず先に攻めるべきは__
姉鬼の方!
『伍ノ型【波飛沫】』
【波飛沫】は刀を振った際に出る波の飛沫が鋭い刃となり、この刃もまた鬼に突き刺さるという技なのである。
私は、姉鬼の目を狙った。
「ぐあ"ぁッ!?」
「姉様っ!」
「許さない、許さない許さないユルサナイ!!人間ごときの・・・餌ごときの分際でぇ!」
姉鬼の方は怒り狂い、トゲの縄・・・【荊縄】を放ってきた。
それこそが、私の本当の狙いだとは気付かずに。
私は、自分の腕を切りつけ、妹鬼の後ろへまわる。
いや、これマジで痛い・・・早く手当てしたい。
『こっちこっち!こっちだよッ!』
自分の腕を振ると、血は妹鬼の着物の背中部分にべっとりとつく。
私はそのまま、妹鬼の背中を蹴って押した。
「きゃあっ!」
ほらこっち!と姉鬼に声を掛けると、姉鬼は【荊縄】を妹鬼の全身に巻き付けた。
視覚が使えないから血の匂いで姉鬼は敵を探す筈、と考えたが見事に当たった様だ。
姉鬼は【荊縄】に絡めているのが妹鬼と気付かないまま、段々と上へ上へ持ち上げて行く。
これなら斬れる!
『悪いけど、アンタらの頸は斬らせてもらうよ!』
『肆ノ型【風波】』
私が放った【風波】の斬撃で姉妹鬼の頸は空を舞った。
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墨染(プロフ) - はじめまして!すごく楽しいです!更新待っております。 (2021年4月8日 13時) (レス) id: 316af638d7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - あ、飽きないでぇぇぇぇぇぇ!!!!ちなみに、推しは義勇さんとしのぶさんです笑。(じゅじゅだと野薔薇とナナミンです) (2021年4月2日 15時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
音速寝のねむ(プロフ) - つ、続きをぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!! (2020年10月20日 6時) (レス) id: e350f81134 (このIDを非表示/違反報告)
さき - すごくおもしろいですよ!体調に気を付けてがんばってくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 447f68f28a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸 椿 | 作成日時:2020年4月10日 19時