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熱い。





物凄く熱い。





中々手を離してくれなかった川上くんは
電車を降りてから少し様子がおかしくて





でも、手だけは
手、だけは繋いだままで





握られていた片方の手だけが
未だに暖かくて、、









「っ、」









思い付きで目に止まった
遠くに見えるコンビニまで競争なんて
子供染みたことを言っちゃったけど





本当は、、





繋がれたままの手が熱すぎて
それだけなのに、左胸が煩くて
それが凄くくすぐったくて





、、恥ずかしかった









「有馬っ!」









後ろから川上くんの声がする。





大事そうに私を呼ぶ
川上くんの声が心地いい、、









ねぇ、川上くん、、





ー、、「俺のこと頼ってよ」





本当に、いいの?





頼っても





すがっても





、、いい?









「っ〜!」









、、え、





今、、









「っ奈々!」









耳心地のいい声で
大事そうに、でも、ちょっと乱暴に





初めて彼に名前で呼ばれて









「っ、かわか、」









全身の熱が一気に上昇する
初めての感覚に驚いて





思わず振り返ると









「っあー、やっと捕まえた!」









カラッと笑いながら肩で息をする
川上くんに捕まった。









「っ、川上くん、今、」



「ん? ちょ、たんま、
早っ、も、息、やばいっ!笑」









ねぇ、今、、






名前、、









「っふは!こんな走ったの
体育の持久走以来かも笑」









「ちょっと休憩」なんて笑いながら
しゃがみこんだ川上くんは
上がった息を整えていて





さっきの、、





、、聞けないや









「急に競争とか、あー、
やっぱり面白いわ、有馬!笑」









ふはっと気持ちいい笑い声をあげて
彼は少し上目で私を捉えると
くしゃっとまた一段と顔を崩して





、、あ、





呼び方、戻ってる、、









「あー、でも、
あんま急に走ってくなよ?」



「、、どして?」



「どうしてって、、
見失ったら嫌だし、危ないじゃん」



「っ、子どもみたいに言わないでよ」



「ふははっ、怒った?」









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作者名:蒲公英 | 作成日時:2018年1月26日 4時

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