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「寒かったぁーっ」
いつか川上くんが言った�爛�ミ線�瓩�
午前中なのもあってか車内は伽藍堂で
久しぶりに買った切符を握りしめて
川上くんに腕を引かれながら飛び乗った車両は
私と彼だけで貸切状態だった。
「貸切じゃん！」
あ、、
思ってたこと一緒だ、、
「寒くない？」なんて聞いてくれる川上くんは
上着のポケットに両手を突っ込んでいて
なんなら鼻も赤くなっていて寒そうで
「ふふっ、川上くん寒い？」
「うん、めちゃくちゃ寒い！笑」
「あははっ、やっぱり」
「んだよ、やっぱりって」
「だって川上くん、鼻、真っ赤だもん笑」
「うっわ、うっそ、まじかぁ」
指摘された鼻をさする川上くんは
小さな子どもみたいで
背、高いのに
なんか損してるなぁ、、
これが俗に言う良いギャップって言うのかな？
「、、有馬、今、変な事考えてたろ」
「え！？ な、どうして？」
「顔に書いてあんだもん」
ふはっと吹き出しながら私を覗き込んだ川上くんは
朗らかだった表情を少しだけ曇らせた。
「なんか、俺のせいで、、ごめん」
「っえ、どうして？」
「教室、居づらくさせたかもしんないし、、」
言いづらいことなはずなのに
川上くんはちゃんと話してくれる、、
私より川上くんの方が居づらくなったはずなのに
川上くんはいつも他人のこと優先するんだもん、、
大丈夫だよって言葉しか出てこないや、、
「だいじょ、」
言いかけた言葉は川上くんの大きな手で遮られた。
「有馬の大丈夫は全然大丈夫じゃないだろ」
「え、」
「平気じゃないくせに大丈夫とか言うなよ」
「そんな、」
「これから俺の前で大丈夫っての禁止な」
「はい決まり」とパチンと手を打った川上くんは
満足気に笑いながら私との距離を少しだけ詰めて
「これからはさ、俺のこと頼ってよ」
そう零した。
「大丈夫って自分で自分に言い聞かせる前に
俺のとこ来て、俺のこと頼ってよ」
「約束な」なんてカラッと笑って
川上くんは私の前に小指を立てた。
「俺、破ったら針千本じゃ済ませないけどね」
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
