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「ねぇ、高梨さん?だっけ」









ヒロの腕を振り払って
ヒロが教えてくれた高梨の席へ向かった。





高梨の席の周りは
何人かの女子が群がっていて
そいつらからも人工的な匂いが立ち込め
むせ返りそうになりなる。









「え、なぁに、洋平くん」









鼻にかかる甘い声が
気持ち悪さに拍車をかけるようで
ヒロを振り払ったことを少しだけ後悔しながらも
沸々と湧いてくる黒いものを抑える事に苦労して





こいつが、、





こいつのせいで、、





有馬はあんな顔してまで笑ってたのに





なんで、こいつは
何も知らないみたいな顔してんだよ、、









「なんか、有馬にしたんだって?」



『えー、なんかって何?笑』









「知らない〜」なんて笑う高梨の口元には
ほくそ笑む影が落ちていて





それが俺の黒い何かに火をつけるようだった。









「なぁ、めんどくさいから言うけど」









分かってる。





俺が有馬を庇うことで
もっと有馬を苦しめるかもしれないことぐらい。





それでも、見て見ぬ振りして
有馬に笑いかけることは
もう、したくない、、





俺が放つ言葉で有馬が苦しむことになったら





俺が、俺がどうにかする。





もう、有馬が泣いてるのに
涙すら拭けないなんてのは





、、ごめんだ









「有馬の上履き、どこやった?」









俺は、有馬と笑ってたい





有馬には笑っていてほしい





あんな辛そうに痛そうにじゃなくて、、





柔らかく笑ってて欲しい






その為にならやれることはやってやる









『えっ、なんで洋平くんがそれ、』



「いいから答えろよ」



『そんな、そんなの知らないしっ、』









ケラケラと笑い合う高梨とその周りの女子達は
「知らないよね」なんて口を揃える。









『ってか、なんで洋平くん、あんなやつ構うの?』



「は?」









なんだそれ、、





なんだよ、それ、、









『洋平くんだって騙されてんでしょ?
あの子、前の学校で凄かったらしいし』



『そうだよ、洋平くんだって聞いてるでしょ?』









俺は、昔の有馬なんか知らない





今の有馬しか知らない





今のって言ったって
そんなに知ってるわけじゃない





だけど、それでも、俺は、、









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作者名:蒲公英 | 作成日時:2018年1月26日 4時

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