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どうしよう、、
川上くん行っちゃった、、
ここに残るって言ったのは私だけど
白井くんと何話したら、、
「有馬さん、」
何から切り出そうか悩んでいると
隣でふにゃっと笑いながら
白井くんは柔らかく私を呼んだ。
「あ、はい、有馬です！」
「え、」
「え、あ、や、あのっ、」
「っふはっ、ん、有馬さんね笑」
名前を呼ばれて条件反射で
自分を名乗ってしまったのを
白井くんは吹き出しながら反芻した。
わぁ、もう、恥ずかしい、、
動転し過ぎちゃった、、
あぁ、もう、穴があるなら入りたい、、
「ん、有馬さん、目、冷やす？」
「え、目？」
「まだ赤いし、、」
「そうかな？でも大丈夫だよ？」
「や、でも、そのままだと腫れそうだし、」
「大丈夫大丈夫！ このくらいなら、」
「、、その、、俺が洋平に怒られるんで、、」
ボソボソと尻すぼみながら言葉を続けた彼は
「洋平、面倒臭いとこあるから」なんて
柔らかく微笑んだ。
あぁ、、
そんなこと言って
白井くんは川上くんのこと
大事にしてるんだろうなぁ、、
「ふふっ、じゃあ、
白井くんが怒られないように冷やそうかな？笑」
「ん、そうして下さい笑」
ふはっと顔を崩した白井くんは
準備室の奥にあるシンクで
自分のハンカチを濡らしてくれた。
「あ、ハンカチ、私ので良かったのに、、」
白井くん、ハンカチ使えなくなっちゃうのに、、
もっと、先回りして気を遣えたらな、、
「いいよ、有馬さんの方がハンカチ使うでしょ？」
「え？」
「女子の方が使い所多いだろうし
俺は別に無ければ無いで問題ないんで」
そうふわりと微笑んだ白井くんから
濡らしてくれたハンカチを受け取って
目に当てると冷やっとした感覚と一緒に
ふわっと気持ちが温かくなる感じがした。
川上くんもだけど
白井くんも凄く他人のこと見てるんだ、、
柔らかい人の周りには
優しい人が自然と集まるんだろうなぁ、、
「ありがとう、白井くん」
「いーえ」
ふにゃっと笑って白井くんは
私の隣に腰を下ろすと眠たそうに
あふっと大きな欠伸をすると
小首を傾げながら私を覗き込んだ。
「、、有馬さん、洋平と何かあった？」
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
