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「ん、そうしな、
まーくんいるし心配ないよ」
柔らかく綻んだ有馬に笑い返すと
有馬もまた笑い返してくれて
「うん、川上くんありがとう」
「いいよ、俺、何にもしてないし、、
あ、目、冷やしときなよ」
「、、ん、ありがとう」
ぎこちなく照れながら有馬は俯き
少し腫れてきた目を触った。
そう、、
俺は何もしてない。
ただ、良い人ぶって
そんな自分自身に酔って
それが偽善だって分かってるくせに
声を上げられずにいる、、
あぁ、、
胸張って有馬の涙を
ちゃんと拭いて上げられるなら
俺が拭いてやるのに、、
俺にはそんな資格なんかない、、
「、、じゃあ、行くわ」
重い腰を上げて準備室の扉の方へ
足を進める。
「、、洋平、ちゃんと有馬さん送ってくから」
眠そうな声を上げるまーくんは
ふにゃっと顔を崩しながらも
しっかりと俺を見つめて
「大丈夫だから」と口パクで
柔らかく言葉を紡いだ。
「じゃあ、よろしくね、まーくん」
「ん、また後で」
「ははっ、ん、後で笑
有馬もまた後でね」
「うん、川上くん寝ちゃダメだよ？」
「ちょっ、有馬までなんだよ！」
「ふふはっ、川上くん、また怒った！笑」
お腹を抱えながら
まーくんの隣で柔らかく笑う有馬からは
あの朝の貼り付けたような笑顔は消えていて
あぁ、ほら、、
そうやって笑う方が似合ってんじゃん、、
ずっとそうやって
自然に笑ってろよ、、
あんな、、
あんな、痛そうに笑う有馬は
もう、見たくない、、
、、俺に、それができたらいいのに、、
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
