...19.M ページ20
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「え、サトヤスくんドラム叩けるの？！ 凄いっ！」
ホームルームをサボって
暖房の効いた音楽準備室で
洋平と一緒にいた有馬って子は
興味津々でサトヤスと話し出した。
あーあ、洋平ほっといていいの、有馬、、
不機嫌極まりない顔してるけど、洋平、、
「ドラムって手と足一緒に動いちゃう」
「やぁ、まぁ、最初はみんなそうっけど
慣れっす、練習あるのみっすね」
「そうなのかぁー、、じゃあサトヤスくん
たくさん練習したんだね！」
腫れた目なんて気にもせずに
柔らかく微笑む有馬に
サトヤスは「まぁ」とか言いながら
満更でもないのかはにかんで
そんな2人を横目に捉えている洋平は
明らかどんどん機嫌を損ねていっていて
なんか、洋平、かわいそ、、
「えと、白井くんは何弾くの？」
ぼけっと不貞腐れる洋平を見ていた俺に
彼女は耳触りの良い声で小首を傾げてきた。
「俺は、ギター、、です」
「わぁ、花形だね」
「、、なの、かな？」
「ふははっ、白井くん、ずっと疑問形で返してる」
「そう？」
「あはは、ほら、また！笑」
鼻にかからない柔らかい笑い方をする有馬は
なんとなく笑い方まで洋平にそっくりで
なんだか今日知り合った感じがしない
変な感覚に陥りそうになる。
や、てか、その前に、、
あきらか洋平の機嫌が悪いんだよな、、
ブスッとそっぽを向きながら胡座をかき
膝の上に肘を立てて頬杖をつく洋平は
チラチラと楽しそうに笑う有馬を見ながら
むすくれていて
あー、、本当に、、
「、、洋平も、ギターできるよ」
なんで俺がフォロー入れてるんだろ、、
「え！ そうなの？！」
「、、うん、ほら、洋平」
有馬の関心を不貞腐れている洋平に向けると
まんまと釣られたかのように洋平が嬉しそうに
やんわりと微笑んだ。
「、、まーくんほどじゃないけどね」
うっわぁ、、
身内がこんな人にデレてるの見るのって
結構キツイんだな、、
本当に洋平、分かりやすいな、、
犬か、、
「わぁ、川上くんも弾けるんだね！凄い！」
パァっと表情を咲かせた有馬の反応が
心底嬉しかったのか洋平も釣られて笑い
それを見てたサトヤスも自然と笑っていて
不自然なほどに笑う有馬を
この時は何とも思ってなかった
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
