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「、、何してんの？」
「あ、おはよう、川上くん」
どうして？
どうしていつも神様は私の味方をしてくれないの？
どうして彼を連れてきちゃうの、、
「いや、おはようの前に、何してんの？」
遅刻ギリギリに生徒玄関に来た川上くんは
ぼぉっと下足入れの前に佇む私を怪訝そうに捉えては
鼻まですっぽり覆っていたマフラーを解きながら
気怠そうにローファーを脱いだ。
「寒いじゃん、早く教室行こ」
至極怠そうに上履きに履き替えた川上くんは
未だ履き替えようともしない私を
不思議そうに見つめながら待ってくれて
上履きが無いことなんて言えないし
今の下駄箱の中も見られたく無い、、
「あー、、うん、川上くん先に行ってて」
苦し紛れにこんな事しか言えずに
また笑うしか無いんだ、、
川上くんは、見透かしてくる。
人の手の内の中を察するのが上手いから。
きっと、引き下がらない、、
「いやいや、風邪引くって、何してんだよ笑」
ほら、、
どうしてほっといてくれないの、、
カラッといつものように笑いながら
川上くんはぐいっと私の腕を引いた。
あ、やばい、、
見えちゃう
バレちゃう
1番見られたくなかったのに、、
「、、んだよ、これ」
私の腕を引いた瞬間に下足入れの中を見た彼は
いつもの心地の良い声を震わせた。
「これ、いつからだよ」
冷たい彼の声は少しだけ掠れながら
酷く頬に刺さる空気を震わせる。
「え、あ、いつからかな？笑」
「、、は？」
「気づいたらこんなだったから
いつからとか気にしたことなかったや」
「いや、おま、」
「大丈夫、大丈夫大丈夫！」
私に構わないで、、
なんて、言えたらどんなに楽なんだろう
どんなに虚勢を張って強がっても
川上くんはそれすら気づいてしまう。
ほっといてぐらい
前までは普通に言えてたのに
どうして川上くんには言えないんだろう、、
「大丈夫、大丈夫だから
川上くんは教室、行っててよ」
私は汚くて醜いうえにズルい。
川上くんに縋っちゃいけない
そんなの前から分かってる。
だから、もう、、ほっといてよ、、
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
