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「は？ この時期に転校生？」
「みたいだぜ？」
「へぇ、で、どうなの？」
「どうって？」
「、、可愛いの？」
「おま、洋平、、」
珍しく首都圏に雪が舞う、そんな冷える朝。
結露した窓が室内と外気の差を訴えながら
古ぼけたカーテンの裾を雫が汚していく。
ー、、転校生が来るってよ
誰かが囃し立てるように触れ回ったらしく
その噂は遅刻寸前の俺の耳にまですぐ届いた。
と言うより、斜め前の席に座る
名前はうろ覚えのやつが教えてくれた。
「女子じゃないと、ワクワクしなくない？」
「本当、洋平って無遠慮だよな笑」
「失礼な！ なぁ、ヒロもそう思うだろ〜？」
名前すら覚えてないやつの前に
朝から女子にたかられながらも
顔色１つ変えずに笑うそいつを呼んだ。
「ん？ 何の話？」
やんわりと周りにいた女子を払い
ニコニコと寄ってきたのは
俺の二つ前の席に座るヒロ。
磯部寛之だ。
「何のって、転校生くるって話」
「あぁ、何か朝からそればっかね笑」
「なぁ、その子、可愛いの？」
「ん？ 転校生って女子なの？」
「え、は、女子じゃないの？」
「俺はどっちかまでは知らないけど」
「げー、なーんだ」
「げって、洋平は本当すぐ顔に出すね笑」
鼻につかない笑い方をするヒロは
何かと馬があってこのクラスになってから
唯一ちゃんと名前を覚えた1人だ。
気づくと女子が周りを囲んでるのは
些か気になるけど
それも鼻にかけないし
天然の人誑しなんだなってのは
半年くらいで痛いほど痛感した。
ヒロは男子にすら好かれる。
「なんでこの時期に転校？」
「まぁ、何か都合あるんでしょ」
「4月まで待てばよくない？」
「んー、一理あるけど、、」
「2月って半端な時期にさ〜、親も親だな」
高2の2月に転校なんて、本人からしたら
溜まったもんじゃないだろうな、、
高3に上がる4月からでも良かっただろうに
それでも春からは受験生だし
少しは考えてやればいいのに、、
『ホームルーム始めるから席つけー』
�狹捷酸犬�くる�瓩修力誕蠅濃�ちきりだった
騒然とする教室に担任が声を張って入ってきた。
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作者名：蒲公英 | 作成日時：2018年1月26日 4時
