幼馴染に彼女が出来た【東リべ】

ﾖﾝｼﾞｭｳｲﾁ ページ42

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来たばかりの屋上を隆の手を振り切って階段を降りて、由紀ちゃんのクラスに向かった


『由紀ちゃん！』



勢い良く開けた教室の扉の音にみんなが私を見た


「Aちゃん」


名前を呼ばれた由紀ちゃんが私の元へやってきた


「おいAっ」


『なんで？どうして隆を振ったの？隆は由紀ちゃんのこと』


「………違うところで話そっか」


『…………』




少し離れた教室に移動した


今は昼休みだから誰もいない


三人で椅子に座って向き直った



『由紀ちゃん、隆のこと嫌いになったの？』


「ちがうよ」


『じゃあなんで？隆、由紀ちゃんのこと好きだよ、大事にしてたよ』


「うん、知ってるよ」


『！…じゃあ…なんで？』


「…………」



由紀ちゃんが黙り込んだ


私の隣にいる隆もずっと黙ったまま


なんの意味も無いのに、私が泣いたって仕方ないのに


涙が止まらなかった



「…Aちゃん、泣かないで」


『だって…っ、由紀ちゃん、隆のこと好きだって言ってたじゃん…っ、』


「………A…」



2人が想いあってるから。

そんな想いあってる2人を見て私も羨ましいと思ったり諦めたりして。


なのに、なのに。



「………隆くんは、私の事好きじゃないよ」


由紀ちゃんは悲しげな声で言って目を伏せた

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