泣き虫ピエロとの約束 (ページ27)

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「…⁉」

流石にここで、体全体を包み込むわけにはいかなかったので、

遠慮がちに両手を優しく包み込んだ。

『大丈夫です。ゆっくりでいいですから。あの映画、ほんと感動しましたもん。焦らなくていいですよ』

『落ち着いたら、ご飯食べましょ！』

涙で濡れた真っ赤な目で羽奈を見つめ、

「うん！うん！ありがとうぅぅぅぅ…！」

そう言って泣き止もうとしたが、

その羽奈の優しさに感極まって、

更に涙が止まらなくなった。

ーーー

〔で、どうだったの？〕

「やらかした」

〔え、何を⁉〕

今思い出しても恥ずかしい。

絶対羽奈ちゃんに引かれた…

「映画、観たんだけど」

「そこで、俺、めちゃくちゃ〔泣いたんでしょ？〕

「え？」

〔ビービー泣いちゃったんでしょ？どうせ〕

「何で分かんねん」

〔映画ってワード聞いただけでピンと来たわ！前にも映画で号泣しすぎて、引かれて振られちゃったことあるじゃん〕

「言うなやそれを」

〔あー、やっちゃったかもね、それは〕

「でもな、ちょっと聞いてほしいねんけど」

「羽奈ちゃん、前の女とはやっぱちゃうかも知れんわ」

晃一が熱く語り始めた。