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【それっていいの⁉あいつ研修医のくせに、そんなことしていいの⁉】
《いいなぁ〜めっちゃ羨ましいんだけど》
退院間際に、吉野研修医から連絡先が書かれたメモを渡されたんだと話したら、
2人が全く逆の反応を見せた。
【で、どうすんの？連絡するの？】
何故祐基がそこまで必死なのか分からないけど、羽奈はゼミのレジュメ提出が終わる2日後に連絡するつもりだった。
『まぁ、レジュメ提出し終わったら、ね』
【え〜！すんの〜⁉】
《もうあんたはうるさい。羽奈の好きなようにしてあげなよ〜》
【え〜！！じゃあ今日ハーゲンダッツ奢って〜】
『《何でだよ》』
羽奈と杏の2人がハモった。
.
そんなこんなで提出し終わり、とりあえず開放感MAXになった。
入院してゼミを休んでしまっていた割には、結構な出来栄えだと自負している。
吉野さんへの連絡は、家で1人静かにするのはちょっと恥ずかしかったので、
ゼミ終わりに学校で送って、
ドキドキしながら家に帰る方がいいと考えた。
みんな帰って誰もいなくなったゼミ室。
オレンジ色の光が差し込む中、ふぅっと1つ息を吐いて、LINE画面を開いた。
友達追加も、まだ出来ていない。
とりあえずIDを登録しようと開いたキーパッドを押していくけれど、手が震えて何度も間違えてしまう。
震える手をぎゅっと握り締め、
震えるな、震えるな
と何度も何度も祈る。
私って、こんな恋に盲目な人間だったっけ…
やっと打てたIDを登録すると、ちゃんと
“吉野晃一”
と出てきた。
その名前を見るだけでもドキドキする。
急に手のひらが汗ばみ、携帯がつるっと滑り落ちそうになる。
危ない危ない…
手汗をしっかりハンカチで拭き取ってから、
もう1度LINE画面を開いた。
何て送ろう…
やっぱ初めは簡潔にすべきだよね…
あぁ、こんな時のために、
送る言葉くらいはちゃんと考えておけば良かった…
“こんにちは。お久しぶりです。先日までお世話になっていた滝沢羽奈です。今日、ゼミのレジュメ提出がありまして、それまでは連絡してもなかなか返すことが出来ないと思ったので、少し間が空いてしまいました。ごめんなさい。”
んー…
固すぎる、かな…
いや、でも軽いよりは多少固い方がいいよね！
意を決して送信ボタンを押した。
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作者名：0号車さん | 作成日時：2017年4月5日 16時
