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結局あの日以来大毅には会うことが出来ないまま
長い長い夏休みは終わった


ギクシャクしたままの大毅と登校するのは少し緊張するなと思いながら
いつも通りの時間に家を出るとそこに大毅の姿はなかった


あ、そっか。もう朝練も行く必要がないから
この時間じゃなくていいんか


この時は大毅がいない理由はそれだと信じて疑わなかった


"先に学校行くね" と連絡して一人で学校に向かう


まだ少し蒸し暑い九月の初め


蝉も鳴くことのなくなった静かな通学路


なんだか嫌な予感がしていた、
それが何かが分からないことで不安はより一層増していく


どうか何も起こりませんように
なんて神様にお願いしてしまうほど不安は大きくなっていった


でも普段神様なんて信じていない私の
自分勝手なお祈りなんて届くはずもなく
信じたくない出来事は起こってしまった


もう大体の生徒が揃っていた教室に
慌てた様子で駆け込んできたのはのんちゃん



「Aちゃん!流星!ちょっと来て!」

「えっ何?どうしたの?」

「ここじゃあかんの?」

「ええからはよ来てって!」



見たこともないくらい焦った様子ののんちゃんを見て
只事じゃないと感じた私達は急いで教室を後にした


のんちゃんに連れてこられたのは
人があまり寄り付かない非常階段



「で、望はなんでそんな慌ててんの?」

「Aちゃんさ、しげからなんも聞いてへん?」

「なんもって?そういえば今朝連絡したのに返ってきてない...」

「なんなん望、はよ言うてや」

「しげが、転校したって。もうこの街にもおらんらしい...」



のんちゃんのその言葉で三人の間に嫌な沈黙が流れる


頭が真っ白になった


信じられなかった、大毅がいなくなったなんて


信じたくなかった






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大神(プロフ) - ななみさん» コメントありがとうございます...!そう言って頂けて嬉しい限りです、まだまだ先の長いお話ですが良ければ最後までお付き合いくださいませ(>_<) (2017年2月19日 23時) (レス) id: f552d6f635 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - このお話すごく大好きです。せつない気持ちになります。これからも更新楽しみにしています!頑張ってください! (2017年2月18日 14時) (レス) id: 3260ee2250 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大神 | 作成日時:2017年1月11日 21時

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