◎32 ページ32
.
今日はサッカー部の試合を観にスタジアムへとやってきた
もしかしたら大毅が来てるかもしれないという期待は
外れて見慣れた姿はどこにもない
つい出そうになる溜息を飲み込んで後ろの方の席に腰を下ろす
前の方には流星くんとのんちゃん目当ての女の子が
学年問わずこれでもかというほど座っていて
二人の人気を改めて思い知らされる
そろそろ始まるかなと思い時間を確認するために携帯を開くと
流星くんから届いていたメッセージ
"優勝したらデートしてな？"
まだ一回戦なのにこんなことを送ってくる流星くんに
私はまた "優勝出来たらね" なんて可愛くない返事をしてしまう
真っ暗になった液晶画面を眺めながら
なんで流星くんは私なんかのことが好きなんだろう、
なんて考えても分からないことが頭の中を支配する
そもそも好きってなんなんやろ
私は流星くんのことが好き...なのだろうか
確かにかっこいいとは思うし
優しくてちょっと抜けてる所は可愛いなとも思う
でも好きなのかと問われたら首を縦に振る自信はない
まだちゃんと恋をしたことがなかった私は
どの感情が好きに繋がるのかをよく分かっていなかった
そんなことを考えている間に既に始まっていた試合
慌ててフィールドに目を移すと
ボールに食らいついて駆け回っている流星くんが目に入る
その姿がいつも窓から眺めていた大毅の姿と重なって
思わず目を逸らしてしまう
本当ならこの試合に出ていたはずの大毅
飛び跳ねながら｢聞いてや！俺レギュラーなれてん！｣
そう報告してきたのは幻だったのだろうか
目の前で頑張っている流星くんやのんちゃんを見ていると
大毅にとってサッカーはなんとなくで辞めれるようなものだったのかと
大毅に対して怒りのような軽蔑のような気持ちすら芽生えてきていた
この時大毅はすごく辛い思いをしていたのに
本当はもっと大毅に寄り添ってあげないといけなかったのに...
いつまでも子どもだった私は
大毅に対してそんな酷い感情を抱いてしまっていました
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大神(プロフ) - ななみさん» コメントありがとうございます...！そう言って頂けて嬉しい限りです、まだまだ先の長いお話ですが良ければ最後までお付き合いくださいませ(>_<) (2017年2月19日 23時) (
レス) id: f552d6f635 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - このお話すごく大好きです。せつない気持ちになります。これからも更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年2月18日 14時) (レス) id: 3260ee2250 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：大神 | 作成日時：2017年1月11日 21時
