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ギョンスside
すっかり恋に落ちてしまった俺は、まるで魔法にかかったように毎日あの子のことを考えていた。
恋の力 とかいうものはすごい。
どうにか理由をこじつけて、一年生の階に何度も足を運んだ。
完全アウェイにも関わらず、ちょろっとクラスを覗いたり、廊下をゆっくり歩いたり。
我ながらバカだなぁと思う。
それでも好きになってしまったんだ、仕方ない。
.
一年生の階で見かけるあの子は、よく派手な容姿をした友達と歩いていた。
そしてその子が、｢パク・A｣という名前だと知った。
登校するとき、購買にいくとき、移動教室のとき、
いつだってAさんを探した。
見てるだけでもいいから、会いたかった。
.
ある時、チャンスが訪れた。
スポーツフェスティバルのプログラムブロックを引き受けた俺は、体育委員の集まりに来るよう頼まれた。
行ってみると、あの子がいる。
運命だと思った。
大袈裟かもしれないけど、それほど嬉しかったんだ。
こんな絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。
さっそく体育委員の先生に、
｢プログラムをひとりでやるのは大変なので、委員から一人貸してくれませんか？｣
と、頼んだ。
しかも、
｢え〜と、パク・Aさん？って人がすごい真面目だって後輩から聞いたんで、彼女に頼みたいんですけど…｣
なんて苦しい嘘までついて。
俺のそんなお願いは見事に通った。
Aさんは、本当に真面目らしい。
｢おぉ！あいつは確かに真面目だからな〜
わかった！俺から頼んでおこう！｣
うん、どうやら信頼もあるようだ。
.
指定した日、生徒会室でどきどきしながら彼女を待つ。
書類の整理なんてしてみたけど、緊張で全くできない。
ただ意味もなく机の上をガサガサていると、大切なUSBを落としてしまった。
そしてなんて間が悪い。ちょうどノックされる扉。
きっと彼女だ。
仕方なく返事をすると、控えめに扉が開く。
｢ぎゃあ！？｣
｢！！？
いてっ！｣
びっくりして頭を机に思いきりぶつけてしまった。
俺が、毎日会いたくて会いたくて仕方なかったあの子は、目を見開いて驚いた顔をしている。
ああ…なんて出会い方だ…。
もっとスマートに、かっこよく出迎えようと思ったのに。
.
『えっと、僕はド・ギョンス。２年で、生徒会の書記。』
.
さぁ。ここからが俺の、正念場。
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きゃっち(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで頂けるよう頑張ります！！(*^^*) (2016年2月5日 2時) (
レス) id: be2a84178a (このIDを非表示/違反報告)
あい - すごく面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2016年2月4日 22時) (レス) id: a29c81a51e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年1月31日 23時
