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ジョンインside
それは本当に突然だった。
ボケーっとしてた背筋を、ピンって伸ばした。
昔からよく店の手伝いをしていた。
店番をして、父さんが焼いたパンを並べて。最後にレジは姉ちゃんの役目。
色んな人が来るのは面白いし、つまみ食いはできるし、手伝いは別に嫌じゃなかった。
ショーケースの前に大きな窓があって、そっから小さな道路の向こう側が見える。
ショーケースの中の椅子。
ここは俺の定位置で、お客さんが来なくなるとボケーっとその窓の外を眺めるんだ。
時々、向かいの薬屋で見かける同い年くらいの女の子がいる。
だいたい見かけるのは月に一回程度。
女の子は毎月その薬屋に入っては袋を持って出てくる。
他にも薬屋から出てくる人はいっぱいいるけど、なぜかその女の子だけ目に入った。
なんであんなところに行くんだろう〜って、俺、薬は嫌いだから行きたくねぇや〜って。
いつもは店の前を通りすぎるんだけど、今月は違ったんだ。
女の子は、お客さんとして店に入ってきた。
時々窓の向こうで見かけてた女の子が、こんな近くに来たもんだから
何でか緊張してしまった。
女の子は店のなかをくるくると見て回ってた。
｢どれにしよう…｣ってブツブツ言いながら。
それがなんだか面白くて、ついついずっと見てしまう。
すると目の前でしゃがみ込んでまたブツブツ…。
おもしろいなぁ…。
よく見かけてた子だからか、勝手に親近感みたいなの感じちゃって
ついつい話かけちゃったんだ。
｢今月のおすすめはチェリーデニッシュだよ｣
｢チェリー…なに？｣
やっと俺に気がついた。
試食を渡すと、小さい子供みたいに目をきらきらさせておいしいと言ってくれた。
それがなんだか仲良くなれた気がして、嬉しくて俺もつまみ食い。
チェリージャムの甘い香りが、ふわっと俺と女の子を包んだ気がした。
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きゃっち(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで頂けるよう頑張ります！！(*^^*) (2016年2月5日 2時) (
レス) id: be2a84178a (このIDを非表示/違反報告)
あい - すごく面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2016年2月4日 22時) (レス) id: a29c81a51e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃっち | 作成日時：2016年1月31日 23時
