【不思議なキミと巡るジャーニー】真っ白な地図【CS】 (ページ3)

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【サンプルボイス】
一人称:私
二人称:名前呼び捨て、あなた
三人称:きみ

「私の名前を問う前に、少しお時間をいただいても？だぁいじょうぶ、すぐに終わる曲にするわ。名前のかわりにまずは聞いてちょうだい、得はしなくても損はさせないから」

「あなた、好きな曲は？ああ、故郷のものでも問題ないわ、これでも長く旅をしてるから聞き覚えはあるはず。あっ、アレンジには文句言わないでね。うろ覚えがそのままなのよりはマシでしょう？それで、曲名は？」

「ご清聴ありがとう！それじゃあ、私たちは旅路の途中だから。またいつか、どこかでお会いしましょう！」

「あら？あなた達さっきの……。行き先が同じだったのね！それなら──え？名前？……ああ！そういえば言ってなかったわね、これは失敬。私はソフィア・エスタシオン、この通り演奏家よ。最近は作曲もしてるから、音楽家のほうが近いのかしら。まぁどっちでも変わらないわね、忘れて！この街でも何回か演奏する予定だから、どうぞ宜しくね」

「Ladies and Gentlemen！本日はお越しいただき、ほんとうにありがとう！少しでも音楽を楽しんでもらえたら、私も嬉しいわ！では、記念すべき一曲目に、この街の民謡を奏でましょう！」

「良いでしょ？お願い、私のかわいい相棒。演奏はとうぜんだけど、このお店のピッツァも気になって街に来たんだから、一目くらい見たいじゃない。大丈夫っ、約束の時間まで並ぶようならすぐ列を抜けるから！」

「う～～～～～ん、次に行く街はもう決めてたんだけど……。でも向かう方向は一緒だし、何より音楽に触れるひとが増えるならそれがいいわ。だからその件、乗りましょう！暫くは一緒の旅路ね。じゃあ早速荷物をまとめて向かいましょ、せっかくだから道中でも寄り道しつつ演奏したいしね！」

「音は人を繋げてくれるもの。さいあく名前を知らなくても、声を、音楽を聴けば思い出してもらえる。名前を知りたくなったら、思い出したそのときに話せばいいわ。ね、何も問題ないでしょ？」

「魔法で全てが完了するなら、断然そのほうが手間がかからなくていい。一度に弾ける楽器も増える。そしたらオーケストラができるわ、最高ね！──…でも、それではダメ。ダメだから、私は居る。人が本当に欲しいのは、魔法でも武器でもなくて、隣の見知らぬ誰かと繋げる手なのよ。だから、みんな旅をするんじゃないかしら」