本音-江口拓也の場合- ページ14
鳥海「江口くんの病室は･･･ここか」
宮野「･･････」
鳥海「こらマモちゃん。そんな顔したらだめ…。」
宮野「･･･はい！」
江口「･･･何してるんです？病室の前で」
宮野「江口くん〜！元気…かな？」
江口「まあまあですかね」
鳥海「ヤングから聞いた。このこと、キラミューンの皆には言わないんだな」
江口「･･･言っても治らないですから意味ないと思い言わないだけです。」
鳥海「江口くんの後輩君たちは知ってるんでしょ？」
江口「事前に話してましたし、事務所の社長にも話してますしね。」
宮野「小野さんと最近会ってるの？」
江口「最近は会ってないです。僕はたまたま、散歩に出掛けてましたが､､､ここ1週間は寝たきり状態でしたので･･･。」
鳥海「で、本音は？良平達に会いたいでしょ？病気の事も話し、頼りたいって助けて貰いたいでしょ？違うかな？」
江口「・・・恩返しが出来ないのに頼ってもいいんですか？」
鳥海「生きているっていう事が恩返しでいいんじゃない？」
江口「話したら､､､昔みたいに良平さん達とお話しが出来るかな？」
宮野「不安だったらサポートするよ！」
江口「・・・怖いけど､､､話す(泣)」
鳥海「じゃあ､､､今から呼ぶね」
木村「・・・・・・」
代永「落ち着いたらで良いから、ゆっくり話してごらん」
入野「江口のペースでいいから。な？」
江口「僕は・・・生まれて直ぐに血液ガンにかかってたらしく入退院を繰り返してました。そんな時僕の本当の両親に捨てられました。」
木村「ｰｰｰｰｰｰｰえ？」
江口「そのまま僕は、15歳までアメリカで病気が治るまで手術したりしてて18歳にようやく完治して日本に戻り、声優を目指しました。
毎日の日々が楽しくて、優しくて時には厳しい先輩と僕を慕ってくれる後輩を持てて凄く嬉しかったんです。ずっと､､､こんな日々が続くと思ってたのに・・・。
ｰｰｰｰｰｰｰ神様はそんな僕を許せなかったんでしょう
28歳に定期検診に行ったら、左耳は既に難聴になっていて癌も再発してました。不幸なことに、再発した病名は脳腫瘍だったから治らない事は分かったらギリギリまで入院せずに、皆さんにも言わずにいようと思ってたのに…(泣)」
代永「ばか！(泣)何で､､､直ぐに言わないの！(泣)」
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作者名：獅亜 | 作成日時：2018年9月22日 16時
