彗星女優 (ページ7)

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後輩ページ7

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楓珠side

『さっきはみっともないとこ見せちゃったね(笑)』

「ううん、俺の方こそごめん｣

気を使えなくて、気づけなくてごめん。
までは言えなかった。
事務所の先輩として、だけじゃなくて
一人の女性として好きになった。
それなのに、好きな人のSOSにも気づけなかった。
情けない。

「言ってくれればよかったのに。」

『言えるわけないよ、だって私先輩だよ？』

「でもそんなに変わらないじゃん、いろいろ」

『ふふっ、嘘。
ねえ、ちょっと寄ってかない？』

そう言い、反対側の公園を指さした。

「うん」

ブランコなんて何年ぶりだろう。
隣でAがニコニコしながら揺れている。

『さっきのね、半分ホントで半分ウソ。』

「え？」

『先輩だからってやつ。
先輩だからみっともないとこ見せたくない、
っていうのももちろんあったんだけどね、
さっき楓珠も言ってたけど、
私たち、事務所入ったのもデビューしたのも
ほとんど変わらないじゃん？
だからね、怖かったの。
変わらないとはいえ私のが1年早かった。
それなのに、最近は神尾楓珠ばっかり売れてる
なんて思われたくなかったの。
楓珠は最近人気がすごくあるから
抜かされそうで、すごく怖い。』

「別に」

『ん？』

「別にみっともないなんて思わなかったよ。
だって、あんなになるくらい、
役に入り込んでるなんて、すごいよ。
やっぱり、憧れちゃうよ。」

『えー？
ふふ、ありがとう。楓珠は優しいね。』

俺には何が出来るんだろう。

『楓珠が後輩で本当によかった。ありがとうね。』

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