新しい友達 ページ8
che「ここ！」
「…登るの、？」
tr「危ないから下で待ってて」
「やだ、私も行く」
che「んふふ、Aも俺らに似てきたねぇ」
立派なお家の柱を登って、窓に手をかけた。
ひい…2階から落ちたら痛そう。
ちょっと怖いかも。
ｺﾝｺﾝｯ
トレイが窓をノックする。
ｶﾞﾗｯ
tr「わっ、出てきた！」
che「なーなー、一緒にあーそーぼ！」
真っ赤な髪の毛の男の子。
パチリ、と不安そうな瞳が見えた。
「こんにちは、いきなりお邪魔します」
？「君たちは、誰…？」
che「俺はチェーニャ！ こっちはトレイでそっちがA！
一緒にクロッケーしようよ」
肩がびくっと動いた。
ぎゅっと唇を噛んで、目を逸らす。
チェーニャ達とババ抜きをしてから人の仕草で何を考えてるか分かるようになってきたんだ。
この子は多分、“やりたいけどできない”んだと思う。
？「え…無理だよ、今は自習時間なんだ
勉強しなきゃ」
che「自習って、何を勉強するか自分で決めていいがね
遊ぶのも勉強ってじーちゃんが言ってたにゃあ」
tr「少しだけ、降りてこない？」
？「………」
「えへへ、私もこっそり家から抜け出して遊んでるんだ
おんなじだよ？」
？「ちょ、ちょっとだけなら…」
窓に手をかけるその子。
私とチェーニャは先に降りて、二人が降りてくるのを待った。
tr「君の名前、聞いていい？」
rd「リ、リドル
リドル・ローズハート」
ローズハート………？
“ 『ローズハートさんが羨ましいわ、貴方と同い年の息子さんはもう魔法だって使えるそうなのに…』”
あ、あの子だ。
ひゅっ、と息を飲む音がする。
急に時間が止まったように感じた。
続く
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作者名：ダルめのシアン | 作成日時：2022年10月9日 0時
