びっくり ページ7
あれから、書斎の片付けを終えたら必ず二人と遊ぶようになった
読書は好きだ。
だけど、二人と遊ぶのはもっと好き。
片付けていた本の中にあった、子供向けの簡単な魔法。
今日は二人にそれを見せてみよう。
「きっと驚くだろうなぁ…」
tr「何が？」
「わぁ！？」
ｽﾞﾙｯ
tr「あっ、A！！」
ドサドサッ、と頭から本が落ちてきた。
いてて…これ戻すの大変だよね。
驚かすつもりが先に驚かされちゃったなぁ。
tr「怪我して無いか？ 痛いところは？」
「ふふ、だいじょーぶだよ
今日はチェーニャと一緒じゃないの？」
tr「あいつ急に居なくなっちゃってさ…てっきりここに居ると思ったんだけど」
本を持ち上げて、棚に戻して行く。
トレイも隣で手伝ってくれた。
tr「ん？ これ歴史の本じゃないから別の棚か？」
「あ、それは私の本」
いつの間にかトレイもここのコーナーに詳しくなっちゃったなぁ。
受け渡された本のほこりを払う。
tr「基礎魔法の教本？ Aは勤勉だな」
「全然できないんだけどね…
お母様がもっと勉強しなさいって仰るから」
よいしょ、これで今日の片付けは終わりかな。
トレイと一緒に書斎を抜け出せば、外ではチェーニャが待っていた。
che「クロッケーしよう！」
tr「お前はほんとに好きだなぁ」
「私も好きだよクロッケー」
また一人あまっちゃうかなぁ、なんて思っていたらチェーニャはにっと笑った。
che「実はなぁ、暇そうにしてる子見つけちゃったにゃあ」
tr「お！ 遊びに誘いに行くか？」
「新しいお友達…？」
ついてきて、と手招きされてチェーニャに駆け足でついていった。
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作者名：ダルめのシアン | 作成日時：2022年10月9日 0時
