【tist】君が塗り替えると言うのなら【トレイ・クローバー】 (ページ1)

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書斎ページ1

『A、書斎の整理を任せたでしょう、まだ終わっていなかったの？』

いつも通り、ごめんなさいと謝った。

ほとんど本は片付けたんだけど…どうしてもあそこのやつだけ、脚立を使っても届かなかったんだもん。

『ほんっと出来の悪い子ね』

「…ごめんなさい」

『ローズハートさんが羨ましいわ、貴方と同い年の息子さんはもう魔法だって使えるそうなのに…』

何にもできない無能。
何度言われても慣れなくて、泣きそうになるのを手をつねって我慢する。

また、これだ。

会ったこともないローズハートくん。
お医者さん？の子供なんだっけ。そりゃ頭いいだろうなぁ。

その子と比べられるのは1日に数回以上。
もう聞きたくないよ…

『それ、後で戻ってくるまでに片付けておかなかったら招致しないからね』

ばたん、と扉が乱暴に閉まる音。
絨毯に置かれた本を拾い上げる。

重たいなぁ。

…心が、苦しいなぁ。