＊42＊ ページ48
｢かみなり…？｣
彼女らしくない弱々しい声。
｢…俺、上鳴。上鳴電気。｣
俺らしくない弱々しい声。
耳を疑った、まさか、俺だったなんて。
彼女に迷惑を掛けていたなんて。
｢それから、毎日のように嫌がらせ。今日も、ここで、…｣
屋上の階段ですれ違ったあいつらを思い出した。あんなヘラヘラとした顔で階段をスキップしていたあいつらに腹立ったけれど、それ以上に適当に手を振ったあの時の自分をぶん殴ってやりたくなった。
鼻の奥がツンとした。
熱が集まって、暑い屋上の空気がタダでさえ張り付いているのに余計熱っぽくなった。
強くて、凛々しくて、美しい彼女。
強いんじゃなくて、強くなろうとしていたのか。
彼女だって、やっぱり、弱い。
硝子の様な灰色の瞳は確かに、小さな光を捉えて、前を見ていた。
｢ごめんな、俺のせい、俺がどうにかする、名前、なんて言うのか教えてくれないか？｣
｢A、操希Aっていうの｣
頬が緩むのが分かった。
｢A、よく頑張ったな、ん。｣
手を大きく広げた、こんなにも馴れ馴れしく接してしまっていいのか若干心ではパニックだったが、そんな心配は要らなかったらしい。
｢……うん。｣
彼女は、美しかった。
最初に会った時も、今も、弱くて正しくて儚くて、強かった。
｢頑張ったな、A｣
今まで自分がしてきた事がとても格好悪くて、一粒、涙をこぼした。
３年生。彼女に告白をされた。
嬉しすぎて頭がショートしたのは初めてで対処なんてできないまま彼女は逃げて行ってしまった。
そのまま顔を合わすなんて出来ないと思ってせめて彼女に少しでもふさわしい男になってから俺から告白しようと決めた。
俺は今までの女子との付き合い方を変えた。
A以外の連絡先は削除してしまったし、今まで適当に遊んでいた女子とも縁を切った。
廊下なんかでしつこく何人かの女子に遊べないってどういうことなのかと迫られたけれど彼女達も本気の付き合いなんかじゃない。
えーだのこまるぅーだの言いながら俺にペタペタ触ってから何処かへ行った。
結局、彼女が雄英を受けると聞いて安心しきって、告白は中学のうちに出来なかった。
高校初日にやっと勇気を出して話しかけて返ってきた言葉は、
なに？
遠慮しときます。
という言葉と、突き刺さるような冷たい視線だけだった。
──なんて不器用な──
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- 恋愛運: ★★★☆☆
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革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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sugar(プロフ) - 小夜こさん» ほんとですか！私も発狂してました。周りの人の目を気にするべきなんでしょうが、私はもうオタなので、人目とかを気にしなくなっちゃって… 隣にいた妹に恥ずかしいからやめてと言われました。 (2017年8月9日 20時) (
レス) id: ad77fcf97f (このIDを非表示/違反報告)
小夜こ(プロフ) - 私もピースサイン流れてうおおあります。私は寮生なのですが、帰省して、帰省先のスーパーがもうすぐ閉店というので行ってみたら、ピースサインが流れて1人で発狂してました。 (2017年8月9日 12時) (レス) id: 7da4a64e57 (このIDを非表示/違反報告)
sugar(プロフ) - ＊苺パフェ＊さん» なんていいラーメン屋さん！ラーメン食べながら語れるなんて、羨ましいです…！！それと、読んでいただきありがとうございますね！ (2017年8月6日 19時) (レス) id: ad77fcf97f (このIDを非表示/違反報告)
＊苺パフェ＊(プロフ) - 楽しく読ませて頂いている者です！！私もこの前ラーメン屋に行ったら店長がヒロアカが好きらしく、ヒロアカグッズとピースサインが流れてて！語ってましたww (2017年8月6日 16時) (レス) id: 6b5d523274 (このIDを非表示/違反報告)
sugar(プロフ) - 陽生さん» ありがとうございます！何だか感動です、見てくれてる人がいるんだ…って実感しました。頑張りますね！！ (2017年6月27日 7時) (レス) id: 985e15e19f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sugar | 作成日時：2017年5月30日 17時
